さっそく「ダビング10」を試す(2)――HDD内蔵STBからi.LINKコピー(2/2 ページ)
今回は、パナソニックのBDレコーダー「DMR-BW800」とHDD内蔵STB「TZ-DCH2000」を組み合わせ、i.LINK経由のコピーおよびムーブをテストした。
「再生ナビ」(録画番組の一覧画面)では、アイコンに「×」が入っているとムーブのみの番組(コピーワンス、または既に9回のコピーを実行した番組)で、「×」がなければコピー可能回数が残っているダビング10番組となっている。ここでは、ブルーレイDIGAのようなダビング(+ムーブ)可能回数は表示されていないが、サブメニューの「ダビング」を開くと残回数を確認できる。
i.LINKコピーの方法は、従来のi.LINKムーブと同じ。両機をi.LINKケーブルで接続し、i.LINKモードを「TS2」(STB用)に設定しておく。「ダビング」画面で録画機器を選択し、「ダビング開始」するとi.LINK経由でMPEG-2 TSがBW800へ伝送される。伝送速度は等倍だ(再生時間と同じ)。
TZ-DCH2000からBW800に対して同じ録画番組を10回ダビング(+ムーブ)してみたところ、9回のコピーでは作業開始時に「ダビング中は外部機器に録画ができません」という注意書きだけだったが、最後のムーブでは「コピー制御のため、ダビングすると元の番組は消去されます」という警告が表示された。これはブルーレイDIGAからBDメディアやほかのi.LINK機器にムーブするときと同じ。
ただ、コピーとムーブを合わせて10回のダビングのうち、1回は「i.LINK機器が認識できない」という警告が出て失敗した。原因はよく分からないが、コピーワンスなら元データがなくなっている可能性もあったわけで、ムーブ失敗によるデータ損失を防ぐというダビング10の目的は一応果たしたといえるだろう。
直接録画ではコピーワンスに
注意したいのは、TZ-DCH2000からi.LINK経由で外部HDD(今回の場合はブルーレイDIGA)に直接録画するケース。この場合、放送がダビング10であっても、録画番組はコピーワンスになってしまう。TZ-DCH2000はHDDを内蔵しているからいいが、例えば「TZ-DCH520」などHDD非内蔵のSTBとレコーダーをi.LINK接続したケースでは、ダビング10の恩恵が受けられないことになる。
もっとも、現在はほとんどのデジタルCATVが地上デジタル放送に関してはパススルー化されているため、ダビング10放送の多くはBD/DVDレコーダー内蔵のデジタルチューナーで録画できる。またCS系専門チャンネルは一部を除いてもともとコピーワンスのため、あまり影響はないはずだ。
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