笑顔を切り取るソニー「HDR-CX12」、マニュアル派も満足の松下「HDC-HS100」:秋のフルHDビデオカメラ(2)(2/2 ページ)
前回はフルHDが当たり前となったデジタルビデオカメラの現状を説明した。今回はソニー「HDR-CX12」とパナソニック「HDC-HS100」の特徴を動画を交えて見てみよう。
マニュアル派も満足の「HDC-HS100」
パナソニック「HDC-HS100」
パナソニック「HDC-HS100」は、記録メディアにSDメモリーカードとHDD(60Gバイト)を利用する。撮像素子に1/6型MOSセンサー(動画撮影時有効画素数52万画素)を3つ搭載する3MOSシステムを「世界で初めて」(同社)採用したのが大きな特徴だ。
搭載する3MOSシステムは、受光部の面積を従来製品(HDC-SD9、HDC-HS9)比で約2倍に拡大し、最低照度2ルクスでの撮影を可能としている。レンズは光学12倍ズームのライカディコマーレンズレンズを搭載する。焦点距離は42.1〜505ミリ(35ミリ換算時、16:9)、F値はF1.8〜F2.8。光学式の手ブレ補正機能も搭載する。
光学ファインダーは約18.3万画素の0.44型ワイドカラービューファインダーで、液晶モニターには2.7型(30万画素)のワイド液晶を搭載する。
本体サイズは74(幅)×76(高さ)×138(奥行き)ミリ、約482グラム(撮影時)で、連続撮影時間は液晶モニター撮影/SDカード記録時で約1時間50分(連続撮影時間)、約1時間10分(実撮影時間)となっている。
4GバイトのSDカードが同梱され、フルHDの最高画質「HAモード」(約17Mbps)で約30分の撮影が可能。同梱カードだけでは少し心もとないが、60GバイトのHDDを搭載しているので、HAモードでも約7時間40分も記録できるのは安心だ。HDDを搭載する分、やや他製品より大ぶりだが、携帯に困るほどの大きさ、重さではない。
同社のデジタルカメラでもおなじみの「おまかせiA」機能を搭載したのも、大きな特徴のひとつ。おまかせiAは、カメラが自動的に撮影シーンを認識し、それに適した設定を自動で行ってくれる。
おまかせiAをオンにすると、顔認識/風景認識/スポットライト認識/ローライト認識/ノーマルの5つのシーンを認識し、例えば顔認識では人がいる場合は顔を検知してピントや露出を合わせてくれる。風景認識は空の白トビ、建物の陰などの暗部の黒つぶれを補正してくれるなど、従来は難しかったシーンを簡単に撮影してくれる。
認識精度は良好で、風景認識であれば、「建物の上に青空が広がる」といったシーンで効果が感じられる。顔認識も最大15人までの顔を認識し、そのスピードも十分実用的だ。スポットライトが当たって明暗差が激しいシーンや室内の暗い場面でも撮影できるスポットライト/ローライト認識はビデオカメラならではでの認識機能といえるだろう。
レンズ周辺には「マルチマニュアルリング」を搭載。あらかじめ本体側面にあるオート/マニュアル切り替えスイッチをマニュアルにしておくと、リングを回すことでズーム/フォーカス/ホワイトバランス/シャッタースピード/絞りがこのリングでマニュアル操作できる。より細かなズーミングやフォーカシングが可能になるのは面白い。
ただ、設定変更にはいちいちボタンを押して設定項目を変更しなければならないのが少々面倒。一度変更すればリングで素早い設定変更が可能だけに、ちょっと惜しい。個人的にはリングでのピント合わせとズーム動作が使いやすかった。
ほかにも、ヒストグラムを表示してて規制露出を見極めたり、画面の一部の輝度レベルをパーセント表示で表示したり、白トビが発生しそうな場所をゼブラで表示したりと、より美しい映像を撮るための工夫が盛り込まれている。
マイクも、通常の5.1chサラウンドマイクに加え、ズームと連動するズームマイク、中央の音のみを集めるガンマイクの機能も搭載。メニューから設定変更するので頻繁には変更しにくいが、それでも状況に応じて使い分けると良さそうだ。
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