デュアルコーデックのビクター「GZ-HD40」、アクティブ派に三洋「DMX-HD1010」:特集 秋のフルHDビデオカメラ(4)(2/2 ページ)
前々回、前回に引き続き、各社の最新フルHDビデオカメラをチェックする。今回はAVCHD/MPEG-2のデュアルコーデック機「GZ-HD40」とグリップスタイル個性派「DMX-HD1010」を取りあげる。
アクティブ派にグリップスタイルの「DMX-HD1010」
三洋電機「DMX-HD1010」
三洋電機“Xacti”「DMX-HD1010」は、今回取り上げた中では唯一の縦持ち(グリップ)タイプ。もともとシリーズ製品の性格からしてデジカメ寄りであるせいか、録画形式はAVCHDではなくISO標準 MPEG-4/H.264(拡張子は.MP4)を採用する。しかし、PCで編集する際に扱いやすいことも確か。
撮像素子は1/2.5型CMOSセンサーを採用しており、動画撮影時の有効画素数は約356万画素。レンズは光学10倍ズームで焦点距離は49.7〜497ミリ(35ミリ判換算時、16:9)、F値はF1.8〜F2.5。手ブレ補正機能は電子式。モニターは2.7型23万画素のワイド液晶だ。
独特のグリップスタイルのデザインは構えやすくコンパクト。右手で構えた場合に親指が操作しやすい位置へほとんどのボタンが集約されている。本体サイズは約90(幅)×112.6(高さ)×54.5(奥行き)ミリ、約311グラム(撮影時)で、添付バッテリーでの動作時間は、液晶モニター撮影時で約2時間5分(連続撮影時間)、約1時間25分(実撮影時間)となっている。
一般的な横長形状のビデオカメラの場合、液晶脇や本体側面に操作ボタン類が配置されており、ちょっと撮影設定をいじろうとすると左手を使う必要がある。そのため、構えるのは右手1本で問題なくとも、頻繁に左手も使うことになる。その点、本製品は右手1本で撮影から設定までが完了するよう設計されている。片手で保持するためにブレやすい、ある程度の慣れが必要という難点もあるが、この軽快さは評価されるべきだろう。
動画と静止画の記録ボタンが同位置・同サイズで配置されているというデザインは、もともとデジカメである本シリーズ独特のもの(初めて“Xacti”を冠した「DSC-J1」はデジカメを名乗っていた)。撮像素子の画数そのものは約400万画素だが、ここから約800万画素相当の静止画を生成する機能も備えている。
動画撮影では最大12人までを検出して追尾する「顔検出追尾」機能を搭載。検出精度はソニーやパナソニック製品に比べるとやや弱めという印象だった。
面白いのは「高速度再生&スロー再生」機能。約300コマの高速度撮影によって、スローモーションのような映像を撮影できる。速く動く被写体がゆっくりとした動きで再生される様は単純に面白い。ただし、記録画素数は448×336ピクセル、撮影時間は約10秒、音声なし、ズーム不可、フォーカス/露出固定、手ブレ補正なしといった制限がある。
そのほか、シャッタースピード優先/絞り優先/マニュアルの撮影機能に加え、液晶横のスイッチをSIMPLEにスライドさせるだけでメニュー表示を含めて初心者でも簡単に操作できるモードに設定することも可能だ。
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