シェイクとGeniusで楽しみを広げた新世代iPod nano:レビュー(2/3 ページ)
第4世代へと進化したiPod nano。軽快さを旨とする携帯プレーヤーとしては完成の域に達し、さらには加速度センサーとGeniusで楽しさの幅を広げている。
意外に楽しめる「Genius」
機能面では音楽鑑賞環境を充実させてきた。
iPodは以前からシャッフル(shuffle)を製品名に冠した「iPod shuffle」なんてのがあるくらい「シャッフル」系の機能に力を入れている。大量にある曲から「次にかける曲をiPodが選ぶ」ことで、意外な取り合わせやつながりを楽しめるのがこの機能の面白さ。特にこの曲やアルバムを聞きたい、という時以外はシャッフルしてランダムに曲をかける人も多いだろう。
そしてiPod nanoが新たに搭載した機能がふたつ。
ひとつは「シェイク」機能。iPod nanoを持って腕を振ると、ランダムで次の曲が選ばれる。誤動作を防ぐためか軽く振っただけでは反応しないようで、2回くらいぽんぽんと振るとよいようだ。「ああ、今聞きたかったのはこの曲じゃない」と思ったら「iPod nanoをシェイクせよ」である。
もうひとつが「Genius」機能。これはシャッフルではないけれども、iPod側が曲を自動的に選んでくれるという点では変わらない。より賢いシャッフルといっていいかもしれない。
好きな曲を選び、再生中にセンターキーを長押しすると、メニューが現れるようになった。そこで「Geniusを開始」を選ぶと、その曲を基準にして、iPod内から相性のいい25曲を自動的に選んでくれ、さらにそれをプレイリストとして保存することができる。
全部をシャッフルしてランダムで聴いているとどう考えても今の気分には合わない、って曲も出てくるが、Geniusを使えばある程度関連のある曲ばかり選んでくれるので、うまくいけば意外性と親和性のある曲のつながりを作ってくれる。
もうひとつ、再生中にセンターキーを押すと、音量、早送り、マイレートなど画面表示内容が順番に切り替わるが、その中に「Genius」がある。Geniusが表示されたときホイールを回してもその曲をキーとした「Genius」が開始される。
この機能は、iTunes 8上で一度Geniusを実行しておく必要がある。なぜなら、iTunes 8上でGeniusを実行することでその情報がサーバーに送られ、サーバーで世界中のユーザーから送られた情報を元に関連性データが作られ、必要なものが自分のiTunesに返信され、蓄積されるからだ。具体的にどんな処理をしているのかは分からないが、利用するユーザーが増えるほど安定していくだろう。だから、マイナーな曲は関連する曲を見つけられないことがあるし、日本のアーティストものはまだ苦手っぽいが、1カ月後には充実しているかもしれない。
で、iPodの場合、iTunes上に蓄積されたデータを利用するため、iTunes上であらかじめGeniusをオンにしておく必要がある。
実際に使ってみるとどうか、というと、これがなかなか楽しい。
例えば、1000曲ある中から「今日はこの曲の気分だ」と思ったら、それでジーニアスしてみる。うまくはまると、そのテイストを保ったまま、いい流れでプレイリストを作ってくれる。
マニアックなネタになるが、この間は初期のXTCがかかったときそこでGeniusを利用してみたところ、XTC→ザ・クラッシュ→スージー&ザ・バンシーズ→マッドネスと気持ちよく流してくれた。iPodに転送した1000曲あまりからうまく見つけ出してくれたのである。ハマるとすごくいい気分。
ハズれることもあるが、まったく違ったテイストの曲になることは少なく、シャッフルでランダムにかけるのとは違う楽しさだ。
好みはその人の音楽の聴き方によって変わるけれども、シャッフル系の聴き方が多い人にとっては、元からある「シャッフル再生」、iPod nanoのみの「シェイクしてシャッフル」、そして、iTunes 8+新型iPod nano、iPod touchとiPhone 2.1で使えるようになった「Genius」と3つから選べるのはよい。
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