撮影の後に――AVCHDをどう編集するか:特集 秋のフルHDビデオカメラ(5)(2/2 ページ)
撮影が済めば、編集して保存しておくことになる。しかし、フルHDビデオカメラの多くが採用する「AVCHD」はPCでの編集を考えるとなかなかにハードルが高い。そこで実際に試してみた。
それぞれの特徴を踏まえた選択を
今回の6機種はそれぞれに個性を備えているため、用途を考えた上で選択したい。
なにより子どもの笑顔を残しておきたいというならば、スマイルシャッター搭載の「HDR-CX12」がいいだろう。動画と同時に静止画のベストショットを狙えるのがいい。難しいことは考えずにキレイに撮りたいというのなら、おまかせiA搭載の「HDC-HS100」もいい選択になりそう。
BDプレイヤーとの連携を考えるなら「DZ-BD10H」だろう。今回の6製品中でBDメディアへ直接、映像を保存できるのはこの製品だけ。BDプレーヤー/レコーダーが一般家庭にも普及し始めているだけに、BDでハイビジョンの映像ライブラリを構築するというのも悪くない。
AFスピードや画質の安定性という意味では「HF11」が優れている。録画時のビットレートを最大24Mbpsまで上げることで情報量の多いシーンでも破たんのない映像を撮影できる。HF10も併売されているが、搭載メモリの倍増もある。HF10/11の比較ならばHF11を選択した方がベターだろう。
とにかくメディア交換をしたくない、撮りためていきたいという容量重視派ならば、「GZ-HD40」が有力な候補になるはずだ。120Gバイトという大容量HDDのおかげで、PCやHDDレコーダーをバックアップ用と割り切り、撮りためた映像を常に持ち歩くという運用が可能になる。
グリップスタイルにMP4採用と独自路線を歩む「DMX-HD1010」だが、家電との親和性が高い製品として評価するべきではなく、PCとの親和性が高い製品としてみるべきだろう。撮影した映像をPCで編集する、Webへアップするといった楽しみ方がメインになるならば、これほど取り回しに優れたハイビジョンビデオカメラはない。
もちろんこれだけが特徴ではないし、それぞれにはいいところ、悪いところがある。自分が何を撮影するのか、どんなシーンで撮影するのか、最終的な視聴・編集環境はどうするのか、といった総合的な角度から製品を選択してもらいたい。
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