「人の目、そのまま」、富士フイルムが「スーパーCCDハニカム EXR」開発
富士フイルムが“人間の目に近づいた”、新型撮像素子「スーパーCCDハニカム EXR」を開発。2009年早期の製品搭載を目指す。
富士フイルムは9月24日、新型撮像素子「スーパーCCDハニカム EXR」の開発に成功したと発表した。2009年早期の製品搭載を目指す。
新型の撮像素子は、カラーフィルター上に配置される画素を斜め方向に同色画素を2つ隣り合わせた構造を採用する。従来のCCDでは、複数の同色画素を1画素と見なして感度を高める画素混合を行う際、画素を水平もしくは垂直に並べるために画素間の距離が遠くなり偽色が発生するが、新型の撮像素子では画素同士を斜めに配置し、2つの画素を1つの画素として扱えるために偽色の発生が抑制され、結果として低ノイズ/高感度撮影が可能となる。同社ではこの技術を「Pixel Fusion Technology」と呼称している。
電気的に露光時間を調整することで、1回の撮影で受光量の異なる2つの画像データを生成する「Dual Capture Technology」によって、撮影された高感度/低感度の画像データを合成し、ダイナミックレンジの拡大も実現する。ダイナミックレンジについては、スーパーCCDハニカム HRを搭載した「FinePix F100fd」が従来比400%を実現してるが、200%ではISO200以上、400%ではISO400以上など感度の制約も存在していた。新型撮像素子ではそうした制限なく、撮影時のダイナミックレンジを拡大できる。
また、画素混合なしで搭載する全撮像素子を利用することで解像感の高い絵作りを可能とする「Fine Capture Technology」も実装する。
高感度を実現する「Pixel Fusion Technology」、ワイドダイナミックレンジを実現する「Dual Capture Technology」、高解像度を実現する「Fine Capture Technology」の3技術をどのように製品へ実装するかは未定だが、「高感度、高解像度、ワイドダイナミックレンジという3つ軸のどれを重視して、“高画質”を求めるか。被写体やシーンによって使い分けができるのが、これからの高画質基準になる」(同社)
関連記事
- 「Wナビ」のカメラおまかせコンパクト、「FinePix F60fd」
富士フイルムが4つの撮影モードをカメラが自動判別する「シーンぴったりナビ」と「顔キレイナビ」、2つのナビを搭載する「FinePix F60fd」を発売。 - レビュー:みんなが仲良くなれるスナップカメラ――富士フイルム「FinePix Z200fd」
「FinePix Z200fd」の注目は、フレーム内の顔が近づくと自動でシャッターが切れる「恋するタイマー」。友達や恋人、家族とスナップ写真をたくさん撮りたくなる機能だ。 - 今日から始めるデジカメ撮影術:第98回 水族館と水面の関係
じめじめする季節。でも夏が近くなり気温は高い、どこへ遊びにいこうか。おススメは水族館である。ということで、水族館で魚を撮ろう、という話をするのである。 - あのデジカメ、ココが気になる:デメリットはあるか?――FinePix F100fd「ワイドダイナミックレンジ」(後編)
デジカメのダイナミックレンジ拡大は白トビ・黒ツブレを抑制してくれる便利な機能だが、デメリットはないのだろうか? - あのデジカメ、ココが気になる:「目で見たままをそのままに」――FinePix F100fd「ワイドダイナミックレンジ」(中編)
富士フイルム「FinePix F100fd」には、従来比400%をうたうダイナミックレンジ拡大が実装されている。その詳細を富士フイルムに聞いた。 - デジモノ家電を読み解くキーワード:「ダイナミックレンジ拡大」――白トビ、黒ツブレにさようなら
サラサラなはずの髪がべったり、子供の柔肌がのっぺり……デジタルカメラで起こりがちなこの問題は、「ダイナミックレンジ」の拡大で防げることも多い。今回は、ダイナミックレンジの改善がどのような効果をもたらすかについて、説明してみよう。 - レビュー:ノイズ知らずの多機能コンパクト――富士フイルム「FinePix F100fd」
富士フイルム「FinePix F100fd」のウリは、なんといっても従来比約4倍相当の「ワイドダイナミックレンジ」機能。FinePixシリーズ得意の高感度機能とあいまって、ノイズ知らずの優れた画質を得られる。 - あのデジカメ、ココが気になる:従来比400%――FinePix F100fd「ワイドダイナミックレンジ」(前編)
デジカメの白トビ、黒ツブレを解消する手段して注目されているダイナミックレンジ拡大。従来比400%をうたうFinePix F100fdはどれほど効果を発揮してくれるか。 - “Dレンジ4倍”を支える独自高感度技術――富士フイルム、デジカメ新モデル発表会
誕生から10周年を迎えた富士フイルムのデジタルカメラ「FinePix」シリーズ。2008年春モデルでは高画素ながら従来比約4倍のダイナミックレンジを実現したモデルが登場した。 - Dレンジ4倍&“逆さ顔”も高速検出――進化した“全部入り”デジカメ「FinePix F100fd」
富士フイルムは、従来比約4倍相当のダイナミックレンジを実現したデジタルカメラ「FinePix F100fd」を発表。“逆さの顔”も検出する広範囲で高速な顔検出機能も魅力。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.