AV機器としてのコダワリに満ちたBDレコーダー、パイオニア「BDR-WD900」:BD/DVDレコーダー特集(6/6 ページ)
パイオニアから初のBDレコーダーが登場した。自社製の最新BDドライブを搭載し、ダブルチューナー、MPEG-4/AVC録画といったトレンドもしっかりと抑えた製品。さっそく検証していこう。
MPEG-4/AVC記録でも全体として破たんが少なくビットレートに応じて情報量が滑らかに減少していくバランス志向だ。サッカーなどをHEモードで録画しても画質が崩れることははほとんどなく、気になるのは芝目が単なる模様に見えてしまう頻度が上がる程度。また動きの速い部分がアウトフォーカスする時間も極めて短く、注意してみていなければ気になるレベルではない。ブロックノイズが視認できることもほとんどなかった。このあたりは視聴する画面サイズにもよると思うが、悪くない画質だ。もちろん競合製品よりも最低ビットレートが高いということもあるが、「X倍録画」戦争にあえて参加せず破たんしない程度にとどめたと解釈できる。
トレンドを抑え、手堅くまとめられたBDレコーダー
本機はシャープとの共同開発ということで、ユーザーインタフェースなどはシャープ製品の色を強く残している。もっともパイオニアの製品は、一から自社開発していた時代も画質とユーザーインタフェースへのこだわりが強く、予約録画機能などは基本を抑えるという傾向にあったため、それほど違和感は感じない。簡単操作にこだわるがために、ちょっと細かい作業を行おうとすると操作ステップ数が多くなる傾向はあるが、マニュアルに首っ引きになることもないだろう。例えば新品のBDメディアが入ると初期化、ダビングへの画面で導く点などは道理にかなっているわけで、決して余計なお世話ではない。
操作性などは基本的に機械に不慣れな人も強く意識しているが、イマドキのBDレコーダーに求められる機能はしっかりカバーしているし、1080/24p出力、DeepColor、x.v.Colorといった高画質表示のためのトレンドもしっかりと抑えている。また本機では高音質コンデンサーも採用するなど、自社製BDドライブと合わせて同社らしいこだわりを見せている。もちろん冒頭で触れたデザインも含めてだ。
搭載例が増えつつあるネットワーク連携などは採用せず、どちらかといえばBDレコーダーとしてベーシックな仕様だが、この点はユーザー個々に要不要も大きな部分。「裏録」という概念を取り入れた2番組同時録画機能も分かりやすいし、すでに触れたように繰り返し録画する番組を「裏録」にしておけば、単発録画とのすみ分けも管理しやすい。使いやすく、スタイリッシュなBDレコーダーとして良い選択肢になるはずだ。また、そのデザインとは裏腹に、リビングルームに置いて家族で利用するBDレコーダーとしての資質も高いと思う。
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