ハルクがパワーアップ――「インクレディブル・ハルク」:本山由樹子の新作劇場
キャストを一新し、アン・リー版とは別モノとして生まれ変わったNEWハルク。娯楽アクションに徹しているので、アメコミファン以外も楽しめる。
インクレディブル・ハルク(Blu-ray Disc)
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
マーベル・コミックの人気ヒーローを、エドワード・ノートン主演で新たに実写化した「インクレディブル・ハルク」が2009年2月25日にBlu-ray Disc化。
特典はルイ・レテリエ監督とティム・ロスによるオーディオ・コメンタリー、メイキング映像、ハルク誕生まで、アボミネーション誕生まで、ハルク現る(1缶詰め工場編/2大学編/3ハーレム編)、もうひとつのオープニング、23種類の未公開シーン、コミックからスクリーンへ、予告編集などを収録している。
5年前、スーパー・ソルジャー計画と呼ばれる軍の秘密研究に目的を知らされないまま参加していた科学者ブルース・バナー(エドワード・ノートン)。彼は実験中の事故で多量のガンマ線をあび、心拍数が上昇すると緑の巨人ハルクに変身する特異体質になってしまった。
逃亡した彼は5年もの間、身を隠し、現在は南米で元の体に戻るための方法を模索していた。だが、スーパー・ソルジャー計画の責任者、ロス将軍(ウィリアム・ハート)率いる特殊部隊が、彼の隠れ家に迫る。米軍に見つかったブルースは、追い詰められて、ハルク化する。
米国に戻り、最愛の女性ベティ(リヴ・タイラー)と再会する。だが、ここでも軍の襲撃に遭遇してしまう。戦いに餓えた特殊部隊員のブロンスキー(ティム・ロス)は、眼前で見たハルクの圧倒的なパワーに魅了され、自らスーパー・ソルジャー計画の被験者に志願、醜く、すさまじいパワーを持つモンスター、アボミネーションに変身する。
5年前のアン・リー版とはまったくの別モノ。前作がハルク誕生編とするならば、今回は苦難な旅を続けながら巨悪と戦うという、まさに死闘編。監督は「トランスポーター」で知られるルイ・レテリエ。
感情が高まり心拍数が200を超えると変身し、身長2.7メートルに巨大化。ブルースは、ハルクになったが最後、怒りのままに凶暴化、自身の拳で地面を揺るがし、ハルク・スマッシュをお見舞いする。最新兵器の攻撃を受けても、ビクともしない強じんさ。身近な人間を傷つけてしまうことを恐れ、感情のコントロールに努めようとするが、そう簡単にはいかない哀しさ。圧巻なのは、アボミネーションとのバトル。巨体と巨体がぶつかり合うパワーに、見ているこちらのアドレナリンも全開に。
特殊な体質ゆえの苦悩はもちろん、恋人との切ないロマンス、巨大化したハルクのパンツが破れない理由など笑いの要素もあり。
ハルクを演じるのは「幻影師アイゼンハイム」「レッド・ドラゴン」の演技派、エドワード・ノートン。彼は脚本から参加し、ハルクのナイーブな存在感を強調している。娯楽アクションに徹しているので、アメコミファン以外にも楽しめるはずだ。
関連サイト:http://www.so-net.ne.jp/movie/sonypictures/homevideo/hulk/index_flash.html(公式サイト)
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
関連記事
- 本山由樹子の新作劇場:地獄のライヴへようこそ――「デトロイト・メタル・シティ」
人気漫画の破天荒極まりない世界観を見事に再現。素顔はナヨナヨの渋谷系ポップス青年が、ステージに立つと極悪メタルバンドのカリスマ・ボーカルへ。演じた松山ケンイチの怪演は必見! - 連載本山由樹子の新作劇場:「心霊写真」をリメイク――「シャッター」
タイ映画「心霊写真」をリメイクした日本製ハリウッド映画。奥菜恵がセリフは少ないものの、バツグンの存在感を発揮。彼女のハマリ具合と長い舌に注目だ! - 本山由樹子の新作劇場:それは謎の女の電話で始まった――「イーグル・アイ」
スピルバーグ製作総指揮によるアクション大作「イーグル・アイ」が早くもBlu-ray Disc化。謎の女の声にほんろうされるシャイア・ラブーフ。アクションとスリルに満ちた快作だ。 - 本山由樹子の新作劇場:映画版もセックス本音トーク炸裂――「セックス・アンド・ザ・シティ[ザ・ムービー]」
ヒロインたちの本音トークがギリギリの笑いを誘う、人気ドラマの劇場版。キム・キャトラルの寿司女体盛りだけでお腹いっぱい。 - 本山由樹子の新作劇場:ランボー、これで完結(多分)――「ランボー 最後の戦場」
ロッキーとならぶスタローンの当たり役、「ランボー」の20年ぶりとなるシリーズ4作目。ランボー、最後の闘いをしかと見届け、奮い立て! - 本山由樹子の新作劇場:いまだ終わることのない戦争の悲劇――「告発のとき」
「クラッシュ」のポール・ハギス監督が放つサスペンス・ドラマ。トミー・リー・ジョーンズが缶コーヒーのCMではお目にかかれない迫真の演技を披露。 - 本山由樹子の新作劇場:全3部作の序章――「20世紀少年 <第1章> 終わりの始まり」
1月31日にシリーズ2作目「20世紀少年 <第2章> 最後の希望」がいよいよ公開される。その前日という絶好のタイミングで第1章がBlu-ray Disc化。 - 本山由樹子の新作劇場:この男がヒーロー映画の常識を覆す――「ハンコック」
やる気がない、人様に迷惑をかける、かつてないダメヒーローをウィル・スミスが愛きょうたっぷりに好演。物語のキーパーソン、シャーリーズ・セロンの美しさからも目が離せない。 - 本山由樹子の新作劇場:3DCGで描かれるクローン大戦――「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」
あの銀河のサーガはまだ終わっていなかった!「スター・ウォーズ」新時代の幕開けとも言うべき3DCGアニメーションが12月17日にBlu-ray Disc化! - 本山由樹子の新作劇場:チャウ・シンチー版「E.T.」――「ミラクル7号」
超ビンボー親子がゴミ捨て場で拾ってきたのは、宇宙ペットのナナちゃん。このナナちゃんはドジで使えないが、なんとも憎めないキャラ。ビンボーな家庭で育ったというシンチーの自伝的要素が入った佳作だ。 - 本山由樹子の新作劇場:成り行き婚の行方は?――「ベガスの恋に勝つルール」
酔った勢いで結婚! ムチャな恋愛騒動をハイテンションで描いたキャメロン・ディアス主演のラブコメディ。笑いながら恋愛も学べる、おススメの1本。 - 本山由樹子の新作劇場:7年ぶりのシリーズ最新作――「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」
ブレンダン・フレイザー主演のアクション・アドベンチャー。今回は中国で皇帝が復活し、ミイラ騒動が!ジェット・リーとミシェル・ヨーの共演もポイント! - 本山由樹子の新作劇場:バグズと人類の戦い――「スターシップ・トゥルーパーズ トリロジーBOX」
カルト的人気を誇る「スターシップ・トゥルーパーズ」シリーズ全3作をまとめたBlu-ray Disc BOXが11月26日に登場。 - 本山由樹子の新作劇場:新聞記者たちの熱い闘い――「クライマーズ・ハイ」
日航機墜落事故を記者の目を通して描く。「金融腐蝕列島[呪縛]」「突入せよ!『あさま山荘事件』」に続く原田眞人監督の社会派群像ドラマが1月1日にBlu-ray Disc化。 - 本山由樹子の新作劇場:主観映像によるゾンビ系映画――「REC/レック」
何かに感染し、凶暴化した人が人を襲う。続編とハリウッド・リメイクも決定したスペイン産のパニック・ホラー。 - 本山由樹子の新作劇場:刑事アクションの快作――「ホットファズ−俺たちスーパーポリスメン!−」
正義オタクの刑事と刑事映画オタクの相棒が、不可解な事件に挑む。熱烈な署名運動によって、めでたく日本公開に至ったアクション・コメディ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.