アドビ製ソフトウェアがバージョンアップ――「VAIO type A」:2009年PC春モデル
VAIOノートPCで最大サイズの液晶を搭載する「VAIO type A」の2009年春モデルでは、基本スペックが強化。64ビット版OSも導入された。
ソニーはクリエイティブ用途向けノートPC「VAIO type A」の2009年春モデルとして「VGN-AW71JB」「VGN-AW51JGB」の2モデルを1月10日に発売する。また、VAIOオーナーメードモデルと法人向けカスタマイズモデルとしても「VGN-AW91」系列が6モデルと「VGN-AW81」系列が3モデル登場する。
価格は、店頭モデルのVGN-AW71JBとVGN-AW51JGBがオープンで、実売価格はVGN-AW71JBが約32万円、VGN-AW51JGBが約30万円と予想されている。また、VAIOオーナーメードモデルと法人向けカスタマイズモデルで最上位機種となる「VGN-AW91CYS」は36万4800円、最廉価機種の「VGN-AW81JS」は19万4800円となる予定だ。
VAIO type Aの店頭向けラインアップは、2008年秋冬モデルと同じように、動画編集用ビデオエディションのVGN-AW71JBと写真編集用フォトエディションのVGN-AW51JGBで構成される。フォトエディションのVGN-AW71JBでは、従来モデルと同様にRGB 3チップLEDバックライト搭載のノングレア液晶ディスプレイを採用し、Adobe RGBカバー率100%を達成している。液晶パネルの下部に54セットのLED(R-G-G-B構成)を並べ、広色域と高輝度を両立するためにGのLEDの選別を厳しく行ない、パネルに内蔵されたマイコンで白色点がずれないようにしたりLED の環境変化や経年劣化による輝度/白色点の変化を防ぐ自動補正機能も備えていたりするのも同様だ。
ビデオエディションのVGN-AW51JGBではRGB 3チップLEDバックライトを搭載していないものの、u'v'色度図でNTSC比104%、x.v.Color対応の広色域液晶ディスプレイを採用する。色モード設定機能は、標準、テレビ、DVD/BD、x.v.Color、色補正オフを用意するが、フォトエディションで備えている色温度の選択機能は2009年春モデルでも導入されなかった。
また、それぞれに導入されているアドビ製ソフトウェアが「Adobe Photoshop Elements 7」「Adobe Premiere Elements 7」へとバージョンアップしたのも2009年春モデルの特徴として挙げられる。
2009年春モデルでは、アスペクト比16:9/解像度1920×1080ドットの18.4型ワイドパネルの液晶ディスプレイ、テンキーが追加されたキーボードなど、主要なスペックと特徴は2008年秋冬モデルから引き継がれている。ボディのデザインもそのままで、本体サイズは 437.2(幅)×288.9(奥行き)×36.9〜39.7(高さ)ミリ、重量はVGN-AW71JBが約3.95キロ、VGN-AW51JGBが約3.9キロ。標準のバッテリー駆動時間も、ともに約2時間と変わっていない。
ただし、2009年の春モデルでは主要なパーツがグレードアップされている。CPUはCore 2 Duo T9400(2.53GHz/2次キャッシュ6Mバイト)からCore 2 Duo T9550(2.66GHz/2次キャッシュ6Mバイト)に変更されたほか、標準で2Gバイト(DDR2-800/2Gバイト×1)だったメモリは標準で4Gバイト(DDR2-800/2G×2)に、500GバイトだったHDD容量も640Gバイト(320Gバイト×2基)にそれぞれ増えた。フォトエディションのVGN-AW71JBがRAID 0を構築しているのも2008年秋冬モデルと同じ。
なお、メモリ容量が標準で4Gバイトとなったため、導入されるOSもWindows Vista Home Premium (SP1)の64ビット版に変更された。
チップセットはIntel PM45 Express、GPUはGeForce 9600M GT(グラフィックスメモリは512Mバイト)とこちらは2008年秋冬モデルと同じだ。NVIDIAの「PureVideo」を用いて実現されるノイズリダクション、アップスケーリング、高画質I/P変換、シャープネスの高画質化技術「Motion Reality HD」も同様にサポートしている。光学ドライブも1層BD-Rに4倍速、1層BD-REおよび2層BD-R/REに2倍速で書き込めるBlu-ray Discドライブを内蔵する。
インタフェースはUSB 2.0×3、4ピンのIEEE1394、アナログRGB出力、HDMI出力、光デジタル音声出力(丸型)×1、アナログ音声入出力、FeliCaポート(2.0対応)、有効131万画素のWebカメラ、メモリースティックPROスロット、SDメモリーカード(SHDC対応)/MMCスロット、CFスロット、ExpressCard/34スロットが用意された。ネットワーク機能は1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11a/b/g /n(11nはドラフト準拠)の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、FAXモデムを備える。
VAIOオーナーメードモデルと法人向けカスタマイズモデルでは、Core 2 Duo T9800(2.93GHz)やメモリ容量8Gバイト(4Gバイト×2)、6Gバイト(4G+2Gバイト)、HDD容量1Tバイト(500Gバイト×2)、800Gバイト(400Gバイト×2)、HDD500Gバイト+SSD256Gバイト(SSD128Gバイト×2)、OSとしてWindows Vista Ultimate(SP1)、Windows Vista Business(SP1)それぞれの64ビット版といった、店頭モデルでは用意されていないハイスペックな構成を選択できる。特に、HDDと組み合わせるSSDの容量は2008年秋冬モデルから2倍に強化されたほか、フォトエディションではRAID 1の構築や地デジチューナーの搭載も可能になる。
VAIO type A店頭モデルの概要(その1) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売 |
VAIO type A | VGN-AW71JB | 2スピンドル | 64ビットOS採用 | Core 2 Duo T9550(2.66GHz) | 4096MB(DDR2) | 640GB | 64ビット版Home Premium(SP1) | 32万円前後 |
VGN-AW51JGB | 2スピンドル | 64ビットOS採用 | Core 2 Duo T9550(2.66GHz) | 4096MB(DDR2) | 640GB | 64ビット版Home Premium(SP1) | 30万円前後 | |
VAIO type A店頭モデルの概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV機能 | 重量 |
VAIO type A | VGN-AW71JB | 18.4型ワイド | 1920×1080 | Intel PM45 | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | GeForce 9600M GT | − | 約3.95キロ |
VGN-AW51JGB | 18.4型ワイド | 1920×1080 | Intel PM45 | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | GeForce 9600M GT | 地デジ×2 | 約3.9キロ |
関連キーワード
VAIO | 64ビット | DVDスーパーマルチドライブ | Core 2 Duo | Blu-ray | 直販限定モデル | 液晶一体型PC | ノートPC | ソニー | 地上デジタル放送 | VAIO type T | GeForce | Windows Vista | モバイルPC | VAIO type Z | Centrino 2 | CPU | GPU | Windows | DDR3 | ディスプレイ | エントリークラス | ピンク | 無線LAN | Core 2 Quad | Radeon | 32ビット | HDMI | Netbook | Photoshop | Photoshop Elements | Premiere | ワイヤレスWAN
関連記事
- 一足先に64ビット化を推し進めるソニー「VAIO」春モデルを発表
VAIOの2009年春モデルは、新シリーズの投入を見送る一方でOSに64ビット版Windows Vista Home Premium(SP1)の導入と、既存モデルのスペックアップが中心となる。 - CPUとHDDを強化したパフォーマンスモバイルノート──VAIO type Z
店頭向けで新規モデルが登場したVAIO type Zは基本機能を強化したほか、VAIOオーナーメードモデルでは新柄が追加された。 - 新色と新柄が追加された超軽量2スピンドルノート──VAIO type T
VAIO type Tの2009年春モデルでは標準搭載の4Gバイトメモリを生かす64ビット版OSを導入するとともに、“まばゆい”新色がVAIOオーナーメードモデルに追加された。 - Blu-ray Discドライブモデルも追加されたカジュアルノート――「VAIO type C」
カラフルなカラーバリエーションで人気の「VAIO type C」が2009年春モデルでBlu-ray Discドライブを搭載しHDDも強化された。 - コストパフォーマンスを重視したモバイルノートに集約──VAIO type S
従来2系統で構成されていたVAIO type Sは、上位機種をVAIO type Zに移行し、下位機種のスペックを強化してラインアップを集約している。 - 新色が登場するシンプルノートPC――「VAIO type N」
ソニーのシンプルノートPC「VAIO type N」に新色が追加された。また最上位モデルでは書き込み対応のBlu-ray Discドライブが搭載される。 - 64ビットVistaを採用した25.5型ワイド一体型PC――「VAIO type R」
ソニーのフラッグシップデスクトップPC「VAIO type R」は、64ビットVistaの採用とともに4Gバイトメモリを標準搭載。クリエイティブユーザー向けにアドビ製ソフトウェアをバージョンアップした。 - 春の“ボードPC”はスペックを強化し64ビットVistaへ――「VAIO type L」
VAIOの液晶一体型PC「VAIO type L」シリーズは、64ビット版のWindows Vistaを採用するとともに基本スペックを強化した。 - 春の3色で展開するエントリー向け液晶一体型PC――「VAIO type J」
低価格な液晶一体型PC「VAIO type J」は、店頭モデルに新色ライムグリーンを追加。Blu-ray Discドライブ搭載モデルもラインアップした。 - 長時間録画が可能になったテレビのとなりの“丸いVAIO”――テレビサイドPC「TP1」
ソニーのテレビサイドPC「TP1」がVAIO AVCトランスコーダーを内蔵。1Tバイトへ倍増したHDDに地デジ放送の長時間録画可能になった。 - ソニー、低価格の大画面液晶一体型や動画/写真編集マシンなどVAIO新モデルを発表
VAIOの秋冬モデルはハイエンドと売れ筋の液晶一体型、ノートPCに新機種が登場。どれもフルモデルチェンジか新シリーズと力が入ったラインアップだ。 - ソニー、VAIOの新モバイル製品投入を予告
VAIOのホームページに謎のティーザー広告(予告広告)が掲載された。“VAIO New Mobile Coming Soon”の文字と“白い封筒”の意味するモノとは? - 極上AVノート「VAIO type A ビデオエディション」を味わう
年末年始の特番も、旅行先で撮影したHD映像の編集もこれ1台でカバー。今年1年頑張ったご褒美にソニーのAVノート「VAIO type A ビデオエディション」はいかが? - 年末はジーンズのように気取らないシンプルノート「VAIO type N」を狙う
「Netbookは安いけど、PCは携帯しないし、性能には不満が……」などと考えている人は、安価な大画面ワイドノートを選んでみては? 今回は「VAIO type N」に注目した。 - なでると喜んだりする魅惑のノートPC――「VAIO type C」と暮らしてみた
ソニーの「VAIO type C」はスタイル重視のノートPC。2008年秋冬モデルではCentrino 2に対応し、デザインをより洗練させた。独創的な“光の演出”にも注目だ。 - ハイビジョンモバイルを実現した新型「VAIO type T」に肉薄
秋冬モデルでラインアップを一新し、モバイルPCながらBlu-ray Discドライブを内蔵した新「VAIO type T」。その実力を垣間見た。 - チノパンとジーンズ、どちらがお好き!?――新型VAIO type Nを眺める
VAIOシリーズのエントリーモデルながら、質感にこだわった「VAIO type N」の新モデルはCentrino 2対応となり性能も強化された。まずは外観を見ていこう。 - WSXGA+液晶搭載のお手ごろVAIOは使えるか?
VAIOの新しいボードPC「VAIO type J」は、低価格帯ながら1680×1050ドット表示の20.1型ワイド液晶が光る製品。実機を速攻でチェックしてみた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.