ソニー、ICレコーダー「SXシリーズ」をモデルチェンジ:音楽ファンのためのリニアPCM録音
ソニーは、ICレコーダー「SXシリーズ」の新モデルを2月に発売する。マイクを本体から独立させたセパレートデザインを採用。リニアPCM録音を可能にしたほか、音楽専用の録音モードを備えている。
ソニーは1月22日、ICレコーダー「SXシリーズ」のモデルチェンジを発表した。内蔵メモリの容量によって2モデルをラインアップ。いずれもオープンプライスで2月に発売する予定だ。店頭想定価格は、2Gバイトの「ICD-SX800」が2万円前後、4Gバイトの「ICD-SX900」は2万5000円前後。
新しいSXシリーズは、マイクを本体から独立させたセパレートデザインを採用。独立したユニットに3つのマイクを備えた。このうち新開発のステレオマイクは従来機「SX78/88」と比較してS/N比を約10db改善しており、ノイズレベルが約3分の1になったという。またユニット中央の指向性マイクも6ミリ径から10ミリ径へとパワーアップ。感度がー37dBSPLと従来機の約3倍になった。
音声フォーマットは、非圧縮のリニアPCMをはじめ、汎用性の高いMP3、長時間録音用の独自コーデック「LPEC」の3種類に対応。リニアPCMではCDと同等の44.1kHz/16ビット、および22.05kHz/16ビットを選択できる。付属の単四形ニッケル水素充電池×2本で最長22時間の録音が可能だ。
録音モードには、音声メモなど近距離録音に適した「口述」、打ち合わせや会議に合わせた「会議」、「マニュアル」に加え、新たに広い講演会場などに適した「高感度」と楽器の生演奏に最適化された「音楽」を追加。音楽では、内蔵マイクの周波数特性や録音レベルをコントロールし、レベルオーバーしない範囲で音楽の抑揚をしっかりと記録するという。
このほか、録音スタート時の5秒前から録音を開始する「プリレコーディング機能」、エアコンやプロジェクターのファンのイズを低減する「ローカットフィルター」、再生時に高域・低域のノイズを低減する「ノイズカット機能」、1/4倍速から3倍速まで36段階の速度で再生できる「デジタルピッチコントロール」(DPC)などを備えた。
付属のPC用ソフトウェア「Digital Voice Editor」は、ファイルの分割・結合や各種フォーマット変換、CDへの書き出しをサポート。再生時に便利な「リピート」「デジタルピッチコントロール」「デジタルボイスアップ」といった機能も用意している。
また新たに音楽用途を想定して、サウンド編集ソフト「Sound Forge Audio Studio LE」をバンドル。録音ファイルから不要なセクションをトリミングしたり、オーディオレベルの調整などが行える。またフェードイン/フェードアウトなど30種類を超えるビルトインエフェクトやプロセスを挿入可能。機能的には、市販品からボーカルフェーダーなど一部機能を省略したものだという。リニアPCMやMP3など幅広いフォーマットをサポートしている点も特徴だ。
外形寸法は、31.3(幅)×130(高さ)×15.4(奥行き)ミリ。重量は約75グラム。屋外の風切り音を軽減する「ウィンドスクリーン」や机からの振動ノイズを抑えるスタンドなども付属する。
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