キヤノン、FAX機能を強化したインクジェット複合機「PIXUS MX860」:9600dpiのフィルム対応薄型スキャナも
キヤノンはADF/FAX搭載のインクジェット複合機「PIXUS MX860」と、9600dpiでのフィルムスキャンに対応した薄型スキャナ「CanoScan LiDE 700F」を発表した。
ADF/FAX/ネットワーク対応のインクジェット複合機
キヤノンは3月24日、A4対応インクジェット複合機「PIXUS MX860」を発表した。発売は4月上旬の予定だ。価格はオープンプライスで、同社直販サイトでの価格は3万4980円。
MX860は、プリンタ、スキャナ、コピー、FAX機能を備えた複合機で、2008年3月に発売された「PIXUS MX850」の後継モデルにあたる。主なユーザーターゲットは、一般家庭とSOHOだ。2008年10月発売の家庭向けインクジェット複合機ミドルレンジモデル「PIXUS MP620」をベースとして、スーパーG3対応FAX、A4用紙を35枚積載可能な自動両面スキャン/コピー対応のADF、有線/無線LANといった機能を追加している。
FAXについては、送信元が非登録または不明なFAXを受信拒否したり、送信先の番号を2回入力することで誤ダイヤルを防ぐセキュリティ機能、モノクロ送信時にテキストの画質が向上する「ファインEX」モード、登録した送信先を見つけやすくするダイヤルサーチ、同報送信、10件のリダイヤルに対応する。
プリントエンジンはMP620と同じ、染料4色と顔料ブラックによる5色独立インクカートリッジ(BCI-320/321)を採用する。印刷速度は、L判フチなしカラー写真1枚が約35秒、A4普通紙カラーが約5.6ipm、モノクロが約8.4ipmだ。スキャナもMP620と同じ光学解像度2400×4800dpiのCISタイプを搭載。ADF使用時の光学解像度は600×600dpiとなる。
用紙サイズはA4までをサポート。給紙容量は後部トレイと前面カセットに普通紙を各150枚セット可能。はがきは後部トレイに40枚セットできる(前面カセットは普通紙のみ)。ボディはMP850から小型化され、491(幅)×437(奥行き)×226(高さ)ミリ、重量は約11.8キロとなった。対応OSは、Windows 2000/XP/Vista、Mac OS X 10.3.9以降。
なお、ipm(image per minute)とはISO/IEC 24734に基づく新しい印刷速度の測定数値で、1分辺りに出力できる枚数もしくは面の数を表す。現在、普通紙印刷速度のカタログ表記はppm(pages per minute)が標準的だが、各社独自の測定チャートを使用した最速設定時の値のため、異なるメーカー/製品間で正確な速度比較ができないという問題がある。今後キヤノンは、メーカー間で統一した基準による公平な速度比較を可能にすることを目的に、ISO生産性規格を採用していくという。
9600dpiでフィルムを読み取れるCISスキャナ
キヤノンは3月24日、フラットベッドスキャナ「CanoScan LiDE 700F」も発表した。発売日は4月上旬を予定。価格はオープンで、同社の直販価格は1万5980円だ。
LiDE 700Fは、2008年9月に発売された「CanoScan LiDE 600F」の後継となるCISセンサ/RGB 3色LED光源搭載の薄型スキャナ。従来同様、USBバスパワーでの駆動が可能で、横置き、縦置き、本体を立てた状態での設置の3パターン(3Wayポジション)に対応する。本体サイズは292(幅)×409(奥行き)×44(高さ)ミリ、重量は約2.1キロだ。
光学解像度は反射原稿スキャン時が4800×4800dpi、フィルムスキャン時が9600×9600dpi。最高9600dpiでスキャンできる新開発のフィルム用光源ユニットとフィルムガイドが付属する。35ミリスリーブフィルム(ネガ/ポジ)の読み取りは1コマずつだ。ソフトウェア補間による読み取り解像度は25〜19200dpi。スキャン速度はA4カラー/300dpi設定時で約12秒をうたう。
そのほか、原稿セット後にスキャンボタンを押すだけで、原稿の種別を自動判別して適切と思われる設定で読み取る「おまかせスキャン」機能、ごみ傷低減/逆光補正/退色補正/粒状感低減といったフィルム/反射原稿両対応の画像補正機能、スキャン時に読み込んだ画像を自動的にカテゴリー別に分類して検索しやすくするファイリング機能、パスワード付きのPDFファイル作成機能、スキャン画像の張り合わせ機能などを備えている。対応OSは、Windows 2000/XP/Vista、Mac OS X 10.3.9以降。
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