イングロリアス・バスターズ(Blu-ray Disc)
クエンティン・タランティー監督&ブラッド・ピット主演の異色戦争アクション「イングロリアス・バスターズ」が5月12日にBlu-ray Disc化される(注:初出時に4月21日発売と記載いたしましたが、発売日が変更になりました)。
特典は、ゲッペルスとの会話(ロング・バージョン)&“ラ・ルイジアーヌ”でのゲーム(ロング・バージョン)&「国家の誇り」上映前(別バージョン)といった未公開シーン、クエンティン・タランティーノ&ブラッド・ピット&エルビス・ミッチェルによる座談会、メイキング・オブ「国家の誇り」、ロッド・テイラー:出演の経緯と監督タランティーノ、ロッドへの監督の熱い思い、予告編集、「国家の誇り」(フル・バージョン)、「地獄のバスターズ」について、カチンコ係りの掛け声集、ハイ!サリー、映画ポスター・ギャラリー(エルビス・ミッチェルによる解説つき)、「イングロリアス・バスターズ」ポスター・ギャラリーなどを収録している。なお、同日に「レザボア・ドッグス」「デス・プルーフ」、5月12日に「キル・ビルVol.1&2」と、過去のタランティーノ監督作が発売される。
舞台はユダヤ人狩りが行われていた「むかしむかし、ナチス占領下のフランス」。そこで史実とは違う“おとぎ話”が語られる。
かつて家族を皆殺しにされ、復讐に燃える若き映画支配人のショシャナ(メラニー・ロラン)。彼女の仇敵でもある“ユダヤ・ハンター”ことドイツ軍親衛隊のハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)。そしてアメリカ軍将校アルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)率いるイングロリアス・バスターズ(名誉なき野郎ども)。
イングロリアス・バスターズはドイツ人兵士の頭皮をジョリジョリ削るなど容赦なくナチス狩りを行う連合軍の特殊部隊だ。やがてドイツ人女優になりすます英国スパイのブリジット(ダイアン・クルーガー)も巻き込み、彼らがショシャナの映画館で大団円となる面白さといったら!
タランティーノは脚本にこだわり、約10年の歳月をかけたという。その間に改稿などを重ねて、一時はテレビのミニシリーズにする案も。ようやく完成にこぎ着けた自信作は全米興収1億ドルを突破、タランティーノ作品として最大のヒットとなる。さらに第82回アカデミー賞では作品賞、監督賞、助演男優賞、撮影賞、編集賞、音響賞、音響編集賞、脚本賞の8部門にノミネート。
バスターズ率いるブラッド・ピットも好演しているが、やはりユダヤ・ハンターを演じたクリストフ・ヴァルツの薄気味悪さは素晴らしい。アカデミー賞では助演男優賞にノミネートされているが、カンヌ映画祭ではブラピを押しのけ、なんと主演男優賞を受賞。
反ナチスをうたった戦争映画ではあるけれど、そこはタランティーノ、お涙ちょうだいとは無縁の痛快作となっている。独特のイマジネーションが縦横無尽にスパークし、冷酷なナチの大佐が登場する冒頭から、復讐が果たせるかどうかのクライマックスまで、興奮必至。しゃべりまくるのも、派手な銃撃戦も、バイオレンスのエグさも、相変わらずタランティーノっぽい。ラストの女の高笑いは怖くもあり、なぜか笑えるという名シーン。150分超えと長いが、これは間違いなくタランティーノの集大成!
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