世界初のソーシャル視聴サービス「JoiNTV」、日本テレビが実証実験:1億台のスマートテレビ?(2/2 ページ)
地デジ対応テレビならすべてFacebookを楽しめる? 日本テレビがデータ放送とインターネット接続を利用したハイブリッドなテレビ情報サービスを発表した。3月放送の「iCon」で実証実験を行う。
「番組やCMで『詳しくは○○で検索!』といったシーンでも、『いいね!』ボタンを押しておけば、後でスマートフォンやPCから詳しい情報を簡単に参照できる。キャンペーン情報やクーポン券の入手といった応用も検討中。テレビからネットへの新しい視聴スタイルを提案したい」。
また、すでに個人情報が登録されているFacebookを使うことで、番組中の視聴者プレゼントにも簡単に応募できるという。「リモコンの赤ボタンを押すだけで応募、その番組の中で当選発表を行うことも可能だ。ほかにも番組中で投票を受け付けたり、クイズに回答したりと、参加型のサービスが実現できる」。
「iCON」で実験、ダブルスクリーンへの展開も?
日本テレビが「JoiNTV」を開発した主目的は、テレビのリアルタイム視聴を増やすことだ。ソーシャルネットワークで番組の情報が拡散すれば、視聴者の増加も期待できる。と同時に、テレビ局が持つメタデータを視聴者に提供することで、今後はさまざまなサービスを提供するチャンスが生まれるという。
JoiNTVを企画した編成局メディアデザインセンターメディアマネジメント部の安藤聖泰氏は、「既存のスマートテレビでも、アプリなどの形でFacebookは用意されているが、横で見ているテレビ番組と直接の関係はない。ネットとテレビに距離があった」と指摘する。メタデータの活用によってテレビとソーシャルネットワークを関連づけることで、新しい利便性を提供できるという。「テレビ局だけが、これから何が放送されるのかを知っている。このメリットを視聴者やスポンサーに還元していきたい」(同氏)。
日本テレビではまず、火曜深夜に放送しているIT情報番組「iCon」(アイコン)で「JoiNTV」の実証実験を行う。対象となる放送は、3月13日(25時44分〜)、20日(26時09分〜)、27日(25時49分〜)の3回。事前登録は3月6日にスタート。登録方法などの詳細は、「JoiNTV」のサイトを参照してほしい。
「今回の実験は、まだ“フェーズ0(ゼロ)”の段階。今後はFacebookだけでなく、ほかのSNSあるいは独自のサービスと連携することも考えていく。またスマートフォンやタブレットを活用する、いわゆる“ダブルスクリーン”への展開も想定している」(安藤氏)。
関連記事
- 写真と動画で解説する新“ビエラ”のスマートっぷり
パナソニックが3月に発売する“スマートビエラ”は、ネットワークをベースに利便性を高めたスマートテレビだ。その機能を写真中心に解説していこう。 - 米国でスマートテレビが流行る理由――CES総括(前編)
「2012 International CES」で存在感を示した“スマートテレビ”。メーカー各社が力を入れる背景には、北米市場ならではの事情が深く関わっていた。AV評論家・麻倉怜士氏に詳しく解説してもらおう。 - メーカーに温度差のある“スマートテレビ”――CESまとめ(後編)
「2012 International CES」では、スマートテレビの展示も多く、来場者の注目度も高かった。ただ、代表格であるはずの「Google TV」をプッシュする展示は少なく、独自プラットフォームやデバイス連携のほうが目立っていた。 - タブレットはもう、小さなスマートテレビ――東芝、本村氏に聞く
「CEATEC JAPAN 2011」で4K対応テレビ「55X3」などの新製品を一挙に発表した東芝。同社の「REGZA WORLD」において、それぞれの製品はどのような役割を果たすのか。REGZAの商品企画を担当する本村氏に話を聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.