消費増税は生活家電の売上にどれほど影響したのか?――GfK Japanが調査:8パーセントの次は10パーセントです
2013年10月に消費税の5パーセントから8パーセントへの税率引き上げが決まった。このニュースを見て、実際に税率が上がる2014年4月までに高額なものは買ってしまおうと決めた家庭も多いだろう。冷蔵庫、洗濯機など、決して安価とは言えない生活家電の売れ行きは、消費増税によってどのように動いたのだろうか。
ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンは2014年6月26日、消費増税による生活家電の売れ行きへの影響を調査した結果を発表した。冷蔵庫、洗濯機などの生活家電全体の販売金額を見ると、増税が決まった2013年10月から、増税施行直前の2014年3月まで前年実績を上回る勢いで推移した。特に増税直前の2014年3月は前年比90パーセント増と大幅に金額を伸ばした。よく売れたのは冷蔵庫、洗濯機、エアコンといった大型生活家電だ。特に高価格帯の製品が大幅に売上を伸ばした。
例年とは異なる動きを見せた小売価格も影響した。冷蔵庫や洗濯機の高価帯製品は例年、真夏までに価格が下がるものだが、2013年は増税前の特需により価格が高値で推移した。このことが販売金額合計を押し上げた。
消費税率が8パーセントに上がると、2013年3月の駆け込み需要の反動が起こり、2014年4月の販売金額は前年比のおよそ30パーセント減と大きく落ち込んだ。しかし2014年5月の売上は前年比およそ10パーセント減まで回復している。2013年10月から2014年5月までの販売金額合計を見ると、前年比でおよそ20パーセント増となり、増税前の駆け込み需要の効果がまだ残っているといえる。
ちなみに、2014年6月の前半は前年比およそ10パーセント減で推移している。単月で前年の売上水準まで回復する時期は近いように考えられるが、今後の気候の影響によるところが大きい。特にエアコンの売れ行き次第となるだろう。
小型家電は、特需による伸びも、反動減も小さい
大型家電は2013年10月から需要増加が確認できるが、クリーナーや電子レンジ、炊飯ジャーといった小型家電の動きを見ると、増税直前の2014年3月まで需要が増加している様子はない。増税前の2013年10月〜2014年3月までの販売額合計は、大型家電が前年比およそ50パーセント増であったのに対し、小型家電は前年比およそ10パーセント増にとどまった。
駆け込み需要が大きくなかった分、反動による落ち込みもそれほどなかった。増税後の小型家電の販売金額を見ると4月が前年比およそ20パーセント減、5月がおよそ10パーセント減、6月上旬は数%の微減にとどまっている。このペースで進めば、近いうちに単月で前年の水準に戻ると考えられる。
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