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4Kテレビの先が見えてきた――2015 CES振り返り(前編)麻倉怜士のデジタル閻魔帳(3/4 ページ)

2015 International CESのトレンドは今回も4Kテレビだった。しかし、AV評論家の麻倉怜士氏によると、過去数年とは少し様子が違っていたという。4Kテレビに加わる付加価値とは?

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有機ELはLG単独に

麻倉氏: 有機ELテレビについては、事実上LGエレクトロニクスだけになりました。同社は工場にも投資するなど、「有機ELにかける」姿勢を見せていて、日本のテレビメーカーにもパネルを売りたいと話しています。


LGのフレキシブル有機ELテレビ

麻倉氏: 注目はパナソニックです。昨年はカーブドのパネルを展示していましたが、今年も1台だけありました。楠見さん(パナソニック、ホームエンタテインメント事業部長の楠見雄規氏)に話を聞いたところ、プラズマパネル生産から撤退しても、やはり自発光パネルにはコダワリがあるようで、“プラズマの発展形”として有機ELテレビを展開する可能性を示唆していました。しかし、価格が高い。もしLGが量産効果でパネル価格を引き下げることができたら採用する方向なのではないでしょうか。


パナソニックブースの65インチ湾曲有機EL。パネルはLGディスプレイ製

麻倉氏: 一方のサムスンは、ほとんど撤退という状況です。今回は4K液晶テレビを「SUHD TV」と打ち出し、これまでのテレビと横並びで比較する展示を行いました。SはサムスンのSなど複数の意味を持たせ、要するに“映像がきれいな4K液晶テレビ”と言っているのです。これは、単なるLEDバックライト搭載テレビを「LEDテレビ」というが如くの、マーケティングワードですね。それはともかく、横並び展示の比較対象としていた“これまでのテレビ”の中に有機ELテレビも含まれていたのです。実際にはほとんど作っていませんけど。


「SUHD TV」の展示。従来型のテレビとして有機ELも並んでいた(右上)

麻倉氏: サムスンといえば、同社と20世紀FOXを中心とした「UHDアライアンス」を結成しました。テレビメーカー各社やドルビーも名前を連ねていて、今後はUHDマークの認定作業を行います。こうした業界団体は、これまで日本メーカーが中心になることが多かったので、今回はサムスンがリードする格好です。お手並み拝見といったところですね。

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