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早くて上手い!――カメラを獲得してレベルが上がった「ルンバ980」の掃除っぷり(1/3 ページ)

新たにカメラを使ったvSLAMを搭載した「ルンバ980」。しかし、一般的な家庭でどれほどの違いがあるのか。従来機との違いを検証してみよう。

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 2002年に初代機が登場して以来、ロボット掃除機という新しい製品ジャンルを切り拓いてきた米iRobotの「ルンバ」。その歴史の中でも2015年はエポックメイキングな年になったに違いない。同社が長らく研究してきたSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)技術を搭載した「ルンバ980」が投入され、ルンバの人工知能は新しいフェーズに移行した。しかし、一般的な使用環境で一体どれほどの違いが出てくるのかは気になるところだ。


「ルンバ980」は、ルンバシリーズの中でもフラグシップという位置づけだ。価格は12万5000円(税別)

 改めて「ルンバ980」を眺めると、特徴的なのはやはり上面のカメラ「iAdaptビジュアライザー」だろう。前方を捉えるように斜めに配置され、室内の様子を捉える。カメラを本体に埋め込むような形で実装したことにより、本体の高さは92mmに収めた。このため従来モデルと同様、ソファーやベッドの下でも10cm以上のすき間があれば入り込んで掃除する。


掃除中の1コマ。ホコリの溜まりやすいAVラックの下などにももぐり込む。人間がやれば手間と労力がかかる仕事をスムーズに行えるのは、掃除に最適化されたロボットならでは

 底面には、ブラシの代わりに髪の毛などが絡みにくい「エアロフォース・エクストラクター」を搭載している。柔らかい素材でできた2本のローラーが内側に向けて回転し、床面のゴミを“引っこ抜く”ような動きをする。この部分はルンバ800シリーズと共通だ。ただしルンバ980には「ハイパワーモーターユニットG3」と名付けられた新しいモーターが搭載され、その集塵力はルンバ800シリーズの2倍に向上した。


底面には「エアロフォース・エクストラクター」

ダストボックス

 もう1つ、従来のルンバシリーズと大きく変わったのが、付属品の「デュアルバーチャルウォール」だ。バーチャルウォールは、ルンバに進入してほしくない場所を教えるためのアイテムだが、デュアルという名の通り、今回は2つのモードが用意され、用途によって使い分けることができる。


付属の「デュアルバーチャルウォール」。2個付属する

 まず「バーチャルウォールモード」に設定すると、置いた場所から一方向におよそ3mの仮想的な壁が作られる。例えば部屋の出入り口にセットすれば、ルンバはその部屋から出て行かない。


側面のスイッチを上にすると「バーチャルウォール」モード、下にすると「ヘイローモード」になる。アイコン表示が分かりやすい

 もう1つのモードは、「ヘイローモード」と呼ばれるもので、デュアルバーチャルウォールを中心に半径約60cmの円形にルンバが入れない保護エリアを形成する。例えばペットのエサ皿や水の容器を置いている場所の中心におけば、ルンバが突っ込むことはない。また子どもが玩具を散らかしていても、デュアルバーチャルウォールを中心にポンと置けば掃除を始められる。アイデア次第で便利に使えるだろう。

 また、従来の「バーチャルウォール」や「お部屋ナビ」に比べると、電源が単三形乾電池(従来は単二形乾電池2本)に変わり、ボディーがスリムになったため、使い勝手はかなり向上している。例えば廊下でも隅に置けば目立たないし、往来のジャマにもならない。地味ながらとても有用なアップデートといえそうだ。


そのほか付属品一覧。予備のフィルターやブラシが2個ずつ同梱(どうこん)されている
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