フィリップスの回転式――“元祖”電動シェーバーはどのように進化したか?:滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」(2/4 ページ)
独自の回転式シェーバーを開発し続けて76年のフィリップス。その進化の秘密を探るため、オランダ本国にあるドラハテン工場を訪ね、製品開発リーダーに話を聞いた。工場内にあるミュージアムの展示と一緒にどうぞ。
1960年代、いよいよ3ヘッドが登場
1966年、現行製品の原型となる3ヘッドを初めて搭載した「8130」を投入し、フィリップスはドライシェービング市場を席巻する。ボートのような形状からボート型と呼ばれた。
1970年代、テレフォンフック型が登場
1975年には、テレフォンフック(受話器)型と呼ばれる「Philishave HP 1126」が登場。3つのフローティングヘッドには90の溝と12枚の刃が搭載されていた。高級感を演出するデザインを意識し、カラーも黒とシルバーに変わった。
1980年代、本格的な技術革新と未来デザインの時代
1983年に発売された「1328」は、バッテリー残量が分かるLEDインジケーターを初めて搭載した。ヒゲを引っ張り上げて、根元からカットするリフトアンドカットテクノロジーが開発されたのもこの頃だ。
1990年代はユーザー多様性の時代
1996年、テレフォンフック型ながらラウンドフォルムで3ヘッドの「Philishave HQ 5890」が登場する。肌の凹凸に合わせて、回転ユニットが傾くリフレックスアクション機能を搭載。肌への密着度が高まった。
2000年代、名機“アーキテック”登場
2007年には3つの回転刃が傾斜して肌に密着する機構を持った「ARCITEC RQ 1095」が登場。充電しながら洗浄できるジェットクリーンシステムも搭載していた。
2014年には現在の最上位モデルである「9000シリーズ」が発売される。回転刃が8方向に動き、どんな部位の肌にも広い面でしっかりと密着するのが特徴だ。
そして2015年には5方向に自在に動く「ダイナミックフレックスヘッド」や肌へのあたりを軽減する「スキンコンフォートリング」を搭載した「7000シリーズ」が登場。スマートフォン用アプリと連動し、ヒゲ剃りを管理するといった仕組みも提供した。
フィリップスの現行ラインアップ。左から深剃りと肌への優しさが特徴の最上位モデル「9000シリーズ」、ビーズコーティングで肌に優しい標準モデル「7000シリーズ」、早剃りながらも快適な剃り心地を実現したエントリーモデル「5000シリーズ」
しかし、フィリップスのシェーバーはライバルメーカーの往復式シェーバーとなにが違うのか? 本国オランダでシェーバーのブランディングを指揮するクリエイティブディレクター、イアン・エリソン氏に話を聞いた。
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