思わず買った 便利さと質の高さを両立させたコンデジ――パナソニック「LUMIX TX1」(2/3 ページ)
1型センサー搭載で、倍率の高いズームレンズを搭載していて、タッチパネルで、EVFがあって……。欲しい条件を積み上げていくと、なかなかしっくりするモデルがなかったのだが、ついにこれというモデルが発売された。それが「LUMIX TX1」。
4K動画と4Kフォトを気軽に楽しめるのがよい
動画は4K対応。秒30コマだが3840×2160の動画を撮れる。AVCHDも選べるが、MP4でもいけるのが嬉しいところだ。
4K動画時は画角が狭くなる(ワイド端で37mm相当)ので注意。フルHD時はワイド端で31mm相当となる。
さすがに4K動画を撮れるコンデジとなるとまだ数が少なく、パナソニックのアドバンテージは大きい。
4K動画は不要だという人も、4Kフォトやフォーカスセレクトは楽しめるかもしれない。
4Kフォトは、単純に言ってしまえば4K動画で撮影した中から任意のコマを静止画として切り出す機能だが、4Kなら800万画素相当と画像サイズ的にも使えるレベルだし、秒30コマの連写機能としても使える。
静止画として切り出しやすいよう高速なシャッタースピード(基本が1/1000秒なのでISO感度を抑えたいときはシャッタースピード優先モードにするべし)で動きを止めて撮れるのもよい。
4Kフォトには、シャッターを押している間だけ(あるいは通常の動画のようにシャッターを押すとスタートし、もう一度押すとストップするモードで)撮影してそこから切り出すモードと、シャッターを押すとその前後1秒ずつを撮影するプリ連写モードがある。プリ連写にしておけばシャッターのタイミングがちょっと遅れてもOKなので非常に便利だ。
これがその写真。野生化したワカケホンセイインコが桜の花をちぎって密を吸う瞬間を狙ってみた。シャッタースピード優先で1/500秒にして撮影。4K動画時は少し画角が狭くなるので望遠向き。F5.9、1/500秒、ISO640、焦点距離:370mm相当
使ってみると実に楽しい。
フォーカスセレクト機能は4Kフォトの応用編。フォーカス位置を変えながら4K動画を撮影し、あとで気に入ったフォーカス位置のカットを選べるというものだ。
これ、フォーカスが難しい位置に被写体がいるときにも使える。
最終的に得られる絵が800万画素相当にはなってしまうし、電子シャッターを使うのでローリングシャッター歪みが出ることもあるし、いったんMP4で撮ったものからさらにJPEGを切り出すので画質面でのデメリットはあるが、画質よりその瞬間が大事、ってときに有用だ。
TX1では、Fn1が4Kフォト、Fn2がフォーカスセレクトに割り当てられているので、そのモードにすぐに切り替えられるのもよい。
動画機能でもう1つ、フルHDで秒120コマのハイスピード撮影が可能だ。手ブレ補正は効かなくなるがスローモーションで動きを捉えたいときによい。
と、こんな感じのデジカメだ。細かい事だが、USB充電に対応してくれたのも便利。
メニューを見てたら「取扱説明書のURLを示すQRコード」を表示する機能があったのはとてもイマドキで面白い。
実はこの機能、シンプルだけどけっこう便利かと思う。分からないことがあって取扱説明書を見たくなったら、スマホでここにアクセスすればいいし、取扱説明書はPDFで用意してあるのでダウンロードしちゃってもいい
コンデジに何を求めるかは人それぞれだけれども、倍率よりレンズの明るさが大事って人でなければ、TX1は最強の便利さとクオリティの両立を果たしたコンデジである。
何しろ、1型センサー搭載で25〜250mm相当の高倍率ながらボディはコンパクトだし、EVFも付いているし、モニターはタッチパネル式で「タッチパッドAF」も使えるし、AFも快適だし、4K動画も撮れるし、ついでに4Kフォトやフォーカスセレクトでも楽しめるのである。これは使える。
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