「テレビの未来はアプリケーション」――この秋、Apple TVが進化する
「WWDC2016」で新しいtvOSの概要が発表された。一般ユーザーは、今秋からApple TVの無料ソフトウェアアップデートとして新しいtvOSを利用できるようになる。
アップルは6月14日、開発者向け会議「WWDC2016」の基調講演でMacOS、watchOS、tvOS、iOSという4つのプラットフォームをアップデートすると発表した。このうちApple TV向けのtvOSでは、「Siri」の機能拡張や「シングルサインオン」といった新しい機能が追加される。
米Appleのインターネットソフトウェア&サービス担当シニアバイスプレジデント、エディー・キュー氏は、「テレビの未来はアプリケーションだ。Apple TVに搭載されているSiriは、私たちがテレビを操作する方法に革新をもたらした。そしてこれからも拡張されたSiriの機能が、さらにすばやく視聴者に観たいコンテンツを届ける」と話す。
キュー氏によると、米国ではApple TV向けの6000以上のアプリケーションが提供されており、このうち1300本以上が動画チャンネルという。大量のコンテンツから好みの番組を見つけるのは手間だが、Siriはより効率的にコンテンツを見つけ出せる。
例えば「野球に関する映画を表示して」「自動車についてのドキュメンタリーを探して」と話しかけると該当するコンテンツを教えてくれる。また「Live tune-in」という機能は、Siriに「CBSニュースを見たい」「ESPNを見たい」などと話しかけるだけで、対応するアプリのライブチャンネルを表示する。「従来よりもピンポイントの検索が可能になった」(アップル広報)
ユーザーの操作を簡略化するアップデート
「シングルサインオン」機能は、ユーザーがサインインすると、Apple TV上にある関連のアプリでも自動的にログインが行われ、視聴者側の操作が簡略化できるというものだ。Apple TVとiOSの両方に提供されるが、当面は米国のみのサービスになるという。
また、ユーザーがiOSデバイスにユニバーサルアプリケーションを追加すると、Apple TVに同じアプリを自動的にダウンロードする機能も用意する。ユーザーは何もしなくてもホーム画面に新しいアプリのアイコンが並ぶ。
このほかにも、ホームシアター環境などに向けてApple TVの背景に暗めのもの(ダーク)を選択できるようになったり、ゲームアプリがコントローラを最大4台までサポートできるなど、多くの機能が追加されるtvOS。さらに「HomeKit」用のツールもデベロッパーに提供されるため、Apple TVから照明機器など(HomeKit対応デバイス)をコントロールするアプリを作ることも可能だ。
tvOSの開発者向けプレビューは同日提供を開始。一般ユーザーは、今秋からApple TVの無料ソフトウェアアップデートとして新しいtvOSを利用できるようになる。なお、日本でも同時期のアップデートを計画しているという。
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