やっとミラーレス一眼の時代がやってきた――2016年を振り返りながら2017年のデジカメトレンドを予想してみよう(2/3 ページ)
2017年のデジカメ界はどうなるか! って考えてたのだけど、2016年に各社のフラッグシップがおおむね出そろってるから、なかなか難しいのだよね。その辺を踏まえ、2016年を振り返りつつ2017年の話をしようかと思うわけである。
いずれにせよ、大事なのはミドルレンジ以上のミラーレス一眼は「EVF内蔵がデフォルトになった」こと。
一眼レフは背面モニタを使ったライブビュー撮影の性能を上げ、ミラーレス一眼はEVFに注力する。
最終的にどちらも「ファインダーと背面モニターを自在に行ったり来たりしながら適材適所で撮影する」というスタイルに帰着したこと。つまりはそういうことだ。
もう1社、ミラーレス一眼を主力にしているソニーも前期と後期で2機種出してきた。年初に「α6300」、年末に「α6500」で見た目はほとんど同じとα6300を買った人が「え?」となる展開だったが、α6500はこのシリーズでははじめてボディ内手ブレ補正とタッチパネルを搭載してきたのである。これ大事だ。
キヤノンが「とうとうキヤノンが本気になった」といわしめた「EOS M5」を投入。M3まではなんだったんだと思えるくらいカメラとして進化し、難点といわれてたAFも速く安定してくれたのである。
2016年の主力ミラーレス機を発売日順にちょっと並べてみた。
X-T2以降が2016年後期ミラーレスだ。こうするとトレンドがみえてくる。
- 手ブレ補正:レンズ側で手ブレ補正を行っていたパナソニックとソニーがボディ内手ブレ補正機構を持ち、ボディ内が主流へ。オリンパスやパナソニックのようにレンズ内手ブレ補正とボディ内手ブレ補正の組み合わせでより強力な手ブレ補正という流れも見逃せない。
- EVF:内蔵が基本。ファインダー位置は左肩派と中央派で二分。
- モニター:バリアングル派とチルト派で二分。チルト派だったオリンパスがバリアングルに。縦横にチルトするX-T2が画期的。
- タッチパネル:富士フイルム以外は搭載へ。
- AF方式:像面位相差AFを使った高速AFが主流に。パナソニックはコントラスト検出AFながらAF速度はかなり頑張ってる。
AFの高速化にともなって、コンティニアスAF時の追従性が上がり、連写速度も上がり、より撮影の範囲が広がった。
特にX-T2とE-M1 MarkIIとα6500のAFは特筆すべき速さだ。
こうしてみると2016年後期にミラーレス機がぐっとレベルアップしたのが分かる。
まとめると、強力なボディ内手ブレ補正、可動式モニター、EVF、タッチパネル、高速なAFと連写だ。
ああ、ミラーレス一眼の時代がやっとやってきた、と初期のミラーレス一眼から使ってきた身としては感慨深いところがある。
2017年はその辺が基準になると思うわけで、富士フイルムがタッチパネルを搭載してきても不思議はない。
確実に来そうなのはソニーのフラッグシップモデル「α7」シリーズ。α7 IIIシリーズがくると思われる。α7 IIIもタッチパネルを搭載し、さらにAF性能と連写性能を上げてくるかと思う。あまり高価にならないとうれしい。
パナソニックからは「GH5」も出る。
富士フイルムは中判ミラーレス機、「GFX」が控えてる。
それらにまぎれて、2017年はサブ機として使えるような、可愛くて小さいミラーレス機が出ないかなあと密かに思ってる。
エントリーからミドルクラスの小さくて携帯性が高いカメラと、高性能なハイエンド機の両方がそろってはじめてミラーレス一眼というジャンルが面白くなるのだ。
ミラーレス一眼の市場ってまだ伸びるはずである。
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