「とにかく、オフィスの照明をカイゼンしたいんだ」――ダイソンがサスペンド型ライト「Cu-Beam」シリーズを発表
ダイソンが、サスペンド型ライト「Cu-Beam」シリーズを発表した。アップライトとダウンライトを1台で兼ね備えた「Cu-Beam Duo」を皮切りに順次発売していく。
強力な光で必要な範囲を正確に照射するサスペンド型ライトシリーズ
3月6日、ダイソンが都内で発表会を開催し、サスペンド型ライト「Cu-Beam」(キュービーム)シリーズをお披露目した。アップライトとダウンライトを1台で兼ね備えた「Cu-Beam Duo」が、28万円(税別)、間接照明に適したアップライトタイプの「Cu-Beam up-light」と、ダウンライトタイプの「Cu-Beam down-light」(各25万円、税別)もラインアップされている。
発表会では、ジェイク・ダイソン氏(ダイソン創業者ジェームズ・ダイソン氏の長男)が登壇し、2015年からダイソンブランド傘下に入る前から取り組んでいたLED照明の「ジェイク ダイソン ライト」(Jake Dyson Light)について振り返りつつ、なぜ新製品「Cu-Beam」シリーズを投入したのかを語った。
オフィスの照明環境をどうにかしたいんだ
ダイソンでは、「エンジニアリングによる日々の問題解決」をテーマにさまざまな製品を開発しており、照明ではタスクライトの「シーシス」(CSYS)シリーズや、天井からつるすペンダントライト「アリエル」(Ariel)シリーズを発売済みだ。これらは、既存のLEDライトがLED本来の寿命に比べて大幅に短い3.5万時間程度にとどまっていた点に着目し、LEDから熱を逃がすヒートパイプテクノロジーなどを採用することで、LEDの質や効率性を損なわずに37年間(1日連続12時間使った場合、寿命は16万時間)も利用できるという。
オフィスやレジャー施設の現状を念頭に不十分な照明設計環境について、ジェイク・ダイソン氏が下記のような問題点を挙げ、「無機質で不健康なオフィスの光をなんとかしたい」と指摘した。
- 前述したLED本来の寿命を生かせていない
- LEDの光が環境に適した色になっていない
- 光源が直接見えるのでまぶしく、ちらつきも生じるので目が疲れやすい
- 不十分な照度なので複数のライトが必要になり、結果として多重の影が発生する
- メンテナンスが必要で、有害廃棄物も発生してしまう
これらの課題を解決し、効率のよい照射で無駄のない照明環境を実現したのが新シリーズの「Cu-Beam」だ。大型のフィンとヒートパイプで常にLEDを冷却することで、他社製品では5万時間前後しかないLEDの寿命を、約18万時間まで伸ばした。またLEDチップを新規に開発し、カスタム設計されたアクリル樹脂レンズとトリムブレードで強い光を生み出すのに加え、光源を1つにすることで光を均一に照射しつつ、不要な影を作らないのもポイントだ、とジェイク・ダイソン氏が語る。
アップライトとダウンライトを備えた「Cu-Beam Duo」ならば、直接光と間接照明を効果的に使うことで、プレゼンテーション中は画面を写したスクリーンが焦点になるよう上方向の光を多くし、下方向への光を少なくしたり、会議中は多くの光を下方向に照射して話し合いを助けたり、勤務時間外はアップライトのみに絞ってスペース全体を間接照明で包んだりといった、用途に応じた照明のコントロールが可能だ。
なお、今回発表された3製品とも5年間のメーカー保証(パーツのみの保証)が付き、天井に取り付けるドライバーボックスのサイズは310(幅)×110(奥行き)×55(高さ)mm、アップライトやダウンライトの出っ張りを除く部分は720(幅)×130(奥行き)×45(高さ)mm、重量はcu-beam Duoが約3.24kg、cu-beam up-lightとdown-lightが約2.9kgとなっている。
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