「ポイントは熱放散」――技術屋が作った37年使える「ジェイク ダイソン ライト」の正体
37年使える「Jake Dyson Light」を開発したジェイク・ダイソン氏が来日し、同製品の発表会を開催。ペンダントライト「アリエル」(Ariel)の詳細を明かした。
「ダイソン製品の中核は技術である」――37年使えるLEDライトを開発したジェイク・ダイソン(Jake Dyson)氏が5月27日に来日し、「Dyson 表参道」でその製品に組み込まれたテクノロジーの秘密を語った。同氏はダイソンの創業者であるジェームズ・ダイソン(James Dyson)氏の長男で、すでに「ジェイク ダイソン ライト」(Jake Dyson Light)はダイソンブランド傘下に入ったことが発表されている。
ジェイク・ダイソン氏は「ファミリービジネスとして非常に熱意と誇りを持って仕事に取り組んでいる。ダイソン傘下になったことで、製造、マーケティング、商品デザインなどさまざまなものを学ぶことができた。ダイソンにとっても照明カテゴリーは心強いものになるだろう」と、良好な関係を築けていることを強調した。
発表会では、すでに発売しているタスクライトの「シーシス」(CSYS)に加え、天井からつるすペンダントライト「アリエル」(Ariel)の詳細が明かされた。
“一生持つLED”を作るため、熱に注目
ジェイク・ダイソン氏は「これまでのLEDは、熱が原因で時間の経過と共に劣化したり、光の色が変わったりする課題を抱えていた。それを解決すべく、一生使えるLEDを考えようと思った」と製品の開発背景を語る。
「一番大事なのはLEDの寿命を延ばすこと。そのため、LEDを半導体として捉え、大量の熱をいかに逃がすかを考えた」という。
シーシスもアリエルも、熱を放散するヒートパイプテクノロジーという独自技術を搭載した。これは人工衛星の冷却システムに着目したもので、アリエルという名前も英国初となる人工衛星の名前が由来となっている。
ヒートパイプテクノロジーはLED部から発生する熱が真空の銅管を通り、アルミニウム製のヒートシンクへ移動して放散される技術で、「通常120〜140度になる」LEDの温度を55度に保つという。これにより、「LEDの質や効率性を損うことなく37〜40年間(1日連続12時間使った場合、寿命は18万時間)利用できる」としている。
同氏はデザインにも注力しており、「技術が中核にあり、パフォーマンスによってデザインが決まる。40年後も美しくあるためにはこういった部分も大事になる」と話す。
「BtoB需要を狙う」というアリエルは、アップライトとダウンライトの2種を用意。明るさが9000ルーメンという高出力のLED1個と、広範囲に正確な光を照射するための特殊なレンズを組み合わせたもので、1年半かけて開発したという。照明のまぶしさを抑えるバッフルで光の角度を調整できるほか、不快に感じる光であるグレアの発生も防ぐとしている。
ダイソン氏は「高出力なLEDのため、熱放散の技術がないと2分半でLEDは壊れてしまう」と話す。
直径1メートルの光を照射するアップライトは、天井に光を照射するもので、ダウンライトは作業スペース、長イス、会議机などがあるオフィスなどで活用できる。国内の発売日と価格は未定。
アップライトの本体サイズは720(幅)×130(奥行き)×100(高さ)ミリ、ドライバー面積は320(幅)×110(奥行き)×52(高さ)ミリ、天井からの推奨距離は400ミリ。ダウンライトの本体サイズは720(幅)×130(奥行き)×100(高さ)ミリ、ドライバー面積は320(幅)×110(奥行き)×52(高さ)ミリ、天井からの推奨距離は1700ミリ。
シーシスは卓上タイプの「デスク」(desk)、床置きタイプの「フロア」(floor)、取り付け型の「クランプ」(clamp)の3種を用意。先日の発表より価格が変更されており、フロアが10万1000円、デスクとクランプが6万4000円となっている(いずれも税別)。
シーシスは、指で触れるだけで本体の縦横調整や回転などができる「3 Axis Glide」(アクシスグライド)モーションを採用したのが特徴。滑車の原理を利用したカウンターウェイトシステムで縦方向に、減摩軸受 (アンチフリクション・ベアリング)により水平方向に27.5センチ動く。
同社直販サイトや直営店「Dyson 表参道」のほか、アクタス、アクシス、伊東屋、カッシーナ・イクスシー、インターオフィス、バルス、蔦屋家電 二子玉川店などで販売する。
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