アステル「ドット・i」対応AJ-51はインターネット直結ケータイだiモードのようにブラウザを備えたPHS……とだけ見ては,「ドット・i」の意味を取り違える。ドット・iは,インターネットに直接接続できるケータイだ。
東京電話アステルから初の「ドット・i」対応端末AJ-51(JRC製)が登場した。ドット・iとはアステルグループの提供する電話機単体でのインターネット接続サービスの総称だが,機能の大部分は高機能端末が実現しており,端末がインターネットに直結している点が注目される。 NTTドコモのiモードに始まったケータイのインターネット対応は,今や完全なトレンド。PHSでは初めてインターネット対応を謳うドット・i対応端末もサーバの送受信機能を備え,コンパクトHTML準拠のブラウザを内蔵している。しかし,これはいまさら画期的といえる事ではない。 インターネットに直結ドット・iがこれまでのインターネット対応端末と大幅に違う点は,PCやPDAと同じようにインターネットに直接接続する「ダイヤルアップ接続機能」を持つ点だ。
つまり,普段利用しているISPのメールサーバや企業内のメールサーバにアクセスし,サーバの送受信を行えるのだ。ドット・i対応端末はインターネットに直結できる初めてのケータイといえる。 わずらわしい専用メールアドレスへの転送は不要
既に述べたとおり,普段利用しているメールアドレスの電子メールも直接送受信可能だから,電話機で電子メールを読み書きするために専用メールアドレスへ転送する必要がない点はやはり便利だ。
最大2つの専用メールアドレスは急ぎの連絡用にして,プライベート用,仕事用と使い分けるのがコスト的にはベターだろう。電子メールの送受信も通信時間に応じて10円単位の料金が掛かるので(専用アクセスポイントでは30秒までなら5円),専用メールアドレスと着信通知を利用するのがうまく使いこなすコツになる。 機能が複雑なだけに処理速度に不安今回チェックしたAJ-51では,対象とするメールアドレスを選択し(複数選択可能),送信のみ/送受信のどちらかを実行可能。ただし,メールサーバに到着しているメールの中から,必要な物のみ選択して受信する事はできない。 32Kbpsとデータ通信速度が高速とはいえ,1通当たり最大10Kバイトもの電子メールを受信できるだけに,この点は少々不満が残る。日常的に利用するメールアドレスの電子メールが送受信できるメリットを生かすためにも,必要な電子メールを選択しての受信や,文字数を制限しての受信はぜひ実現してほしい機能だ。メールサーバを直接操作するのだから,端末側の機能拡張のみで実現可能なはずだ。 サーバ利用の自由度が高いドット・iだが,マイナス材料もある。インターネット標準の手順を用いているがゆえに端末内部でのサーバ送受信の処理が複雑になり,処理速度に影響が出ているのだ。専用メールアドレスに届いた電子メールの受信に要する時間を,同じPHSであるH"(32Kbps)と比較すると以下のようになった。
同じサイズのメールを3通受信しても,要した時間は1通の場合の倍以下であり,これはメールサーバへのログイン処理に特に時間を要していると判断できる。電子メールに関する自由度が高いがゆえでもあるが,気になる点ではある。 「ドット・i」のサーバ送受信機能は,専用メールアドレスと日常利用しているメールアドレスをうまく使い分けると非常に便利に利用できる。不満点がないわけではないが,従来のケータイの電子メール送受信機能とは一線を画しているのは事実だ。 関連記事 [坪山博貴,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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