Palmのワイヤレス展開は着実に進む──PalmSource

PalmSourceで行われた展示で目立ったのは,ハードウェア拡張製品。Bluetoothなどの無線系の製品も見受けられた。

【国内記事】 2001年2月15日更新

 都内のホテルで開催中のPalmSource Forum Tokyo 2001では,開発者向けのセミナーのほかに,Palm OS関連製品の展示も行われた。ハードウェアを拡張する製品や,Palmの企業向けソリューションが多数見受けられた。

 松下寿電子工業は,Bluetoothモジュール「BM-100BA」(内蔵アンテナ),「BM-100EA」(外部アンテナ)を参考展示。無収縮低温焼成セラミック多層基板を用いて,「超小型を実現」(松下寿)したのが特徴だ。RF部,ベースバンド部,フラッシュメモリーの3チップを1つのモジュールにまとめ,内蔵アンテナ仕様のBM-100BAで12(幅)×20(奥行き)×3.5(厚さ)ミリを実現している。

 「このモジュールを使いBlutooth機能を持ったSDカードの実現を目指しているが,さらに薄くしなくてはいけない」(松下寿)。SDカードのサイズは,24(幅)×32(奥行き)×2.1(厚み)ミリ。松下寿のモジュールでBluetooth機能を持ったSDカードを作るには,1ミリ以上薄くしなくてはいけない。

 松下寿では,同モジュールを秋から量産する予定。価格は未定だ。


会場ではBM-100BAを利用して,画像データを実際に転送するデモが行われた

Springboardモジュール,約40種が展示

 ハンドスプリングは,「VisorPhone」などと併せて,約40種類のSpringboardモジュールを展示した。ケンウッドが参考出品した「ベビーキューブ」は,300MHz帯を使う無線ユニット。片方を,ケンウッド製の携帯電話「J-K03」の後部に取り付け,もう片方をVisorのSpringboardスロットに挿入する形で利用する。

 無線部のスペックは暫定ながら,データ転送レートは115Kbpsで,実用使用距離は5メートルとなっている。ケンウッドによると,展示品では以下の機能が利用可能だという。

  • 携帯電話で受信したメールをVisorに転送
  • Visorで作成したメールを携帯電話に転送
  • 携帯電話着信時,Visorに発信者番号,発信者を表示
  • 着信拒否,応答保留がVisor上でコントロールできる


ケンウッドのデータ通信ユニット,ベビーキューブ


松下の参考展示されたGPSユニット「VisiLocation」


Xircomが参考出品した「SpringPort Wireless Ethernet」(SWE)。IEEE 802.11bプロトコルを採用している。2001年春発売予定

Palmのビジネスへの展開は?

 今回のカンファレンスの3分の1近くが,“Palmを利用したビジネスソリューション”の解説にあてられるなど,Palmはビジネス展開に意欲的だ。

 富士通プライムソフトテクノロジも,Palmを利用したデータベースシステムを展示していた企業の1つだ。Palm上に40〜50Kバイトという小さなサイズのデータベースを載せ,ホスト側のデータベースとシンクロナイズさせることができる。

 ビジネス向けソリューションとしてPalmを見た場合,「小型軽量で,安価。レスポンスも電池のもちも良い」と富士通プライムソフトテクノロジの第二開発統括部第一開発部プロジェクト課長である飯田裕氏は,Palmの利点を語る。しかしビジネスで利用する場合,Palmには課題点も多い。

 ライバルとなるPocketPCに比べ,PalmのCPUは低速で,ストレージも8Mバイト。特にデータベース系のアプリケーションではストレージの制限が痛い。「Palm OS 4.0での外部ストレージのサポートに期待している」(飯田氏)。

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[斎藤健二,ITmedia]

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