J-フォン J-SH05「TFT液晶はケタ違い」

カラー化,着メロ和音化を積極的に進めるJ-フォン。カメラ内蔵のJ-SH04に続いてシャープ製のJ-SH05は,携帯初のTFTカラー液晶,16和音+PCMの着信メロディと現在最強のマルチメディア携帯というべき存在だ。

【国内記事】 2001年2月27日更新

「桁が違う」フルカラー表示のTFTカラー液晶搭載

 J-SH05は携帯初のTFTカラー液晶を搭載。ほかの携帯が搭載するSTNカラー液晶が256色表示なのに対し,J-SH05は6万5536色表示。テレビコマーシャルではないが,確かに桁が違う。

 TFTカラー液晶はコントラスト(明暗比)が高く,基本的にSTNカラー液晶より明るく見やすい。確かにJ-SH05の液晶は明るく色鮮やかだ。待ち受け画面に色数の多い自然画を設定しても,色情報や諧調が失われるようなことはない。

 ただし多くの人が抱く“TFTカラー液晶”“STNカラー液晶”のイメージに捕らわれないほうがいい。現在携帯で使用されているSTNカラー液晶は十分に明るいし,日中の野外など極端に明るい所での視認性に少々難があるのはTFTカラー液晶のJ-SH05でも変わらない。

 そもそもPCにおいてTFTカラー液晶が圧倒的に支持されたのは,TFTカラー液晶のほうが応答性が速く,動きのある画面でのメリットが大きかったからだ。対して現状の携帯でSTNカラー液晶の応答性が問題になる場面は滅多にない。

 そもそも携帯で最大クラスの2インチ液晶でも表示ピクセル数は2万ピクセルに満たない(160×120ピクセルの場合)。意図して作成された画像ならともかく,一般的な画像では256色表示でも色数の問題で画像表示が破綻することは滅多にないわけだ。

近い未来に必ず必要になるTFTカラー液晶

 もちろんTFTカラー液晶にメリットがないわけはない。J-SH05の画面はパッと見ですらやはり鮮やかで,文字のみの表示でも感覚的に受ける見やすさは歴然としている。そもそも表示品質という点でTFTカラー液晶がSTNカラー液晶に劣る点は皆無だ。

 J-SH05で特にTFT液晶のメリットを感じるのは視野角の広さ。特に横方向の視野角は広く,多少斜めに覗きこんでもくっきり文字や画像を認識できる。携帯に視野角の広さが必要かどうかという点も問題だが,着信時などに誰からの電話かを認識するのが明らかに容易なのは間違いない。

 現状では携帯に必ずしもTFTカラー液晶が必要とは言い難い。しかし年内にはJ-フォンでも高速データ通信をサポートするW-CDMAでのサービスが開始され,携帯が動画ビューワになる時代もそう遠くはない。J-SH05は携帯の近未来を具象化した貴重な布石となる製品だといえる。

左からTFTカラー液晶,STNカラー液晶の半透過型,反射型。TFTカラー液晶はコントラストが高く,しっとりした色合いで綺麗だが,視認性に大差がないことも分かる

右の256色表示では色数が足りずに白い点が散見される。左では発色数(65536色)が色数を上回るくらいなので,当然適切な色表現がされている

J-SH05とau C406S(STN反射型カラー液晶)を同じ角度から見たところ。J-SH05では色合いこそ薄く見えるが文字ははっきり認識できる。C406Sはほとんど何も認識できない

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[坪山博貴,ITmedia]

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