J-フォン,携帯電話上で動く3Dポリゴン技術を発表──6月の新端末からJ-フォンは,携帯電話上に3D描画エンジンを搭載する。キャラクターがリアルタイムに動作する以外にも,Javaからの利用,モバイルコマースなど多くの利用法が期待される。
3月15日,J-フォングループとバンダイネットワークス,エイチアイの3社は,携帯電話向け3Dポリゴン技術に関して合意し,J-フォンの試作機上に実装したことを発表した。
合計で50〜70Kバイト程度のデータをダウンロードすることで,ユーザーは自分の好きなキャラクターを表示できる。 データは,「モデリングデータ」「テクスチャデータ」「アクションデータ」に分かれている。テクスチャデータやアクションデータを後からダウンロードして差し替えることで,「今日は赤い服を着させよう」「今日はカンフーポーズを決めてやる」といったことが可能になるという。
この技術は,エイチアイがバンダイネットワークスと共同で開発したもの。「マスコットカプセルエンジン Micro3D Edition for J-phone」と呼ばれる。10MHz以上の32ビットRISCチップ上で動作し,浮動小数点演算は不要。メモリもエンジン用に32Kバイト必要なだけで,1〜500ポリゴンの3Dグラフィックを秒間4〜20フレーム表示できる。 光源処理を省き,「(3D画像特有の)ぬめぬめ感を敢えて入れない」(バンダイネットワークス)ことで,携帯電話のCPUで3D描画を可能にした。 Javaからも操作可能今回の3Dエンジンは,J-フォンが搭載を予定しているJavaとも密接な関係がある。JavaVMの隣で,ネイティブの3Dエンジンが動いている形になり「JavaのMIDP上から,3Dコンテンツを操作可能」(バンダイネットワークス)だという。 これによって,Javaで書かれたゲームなどから3Dグラフィックを扱うことも可能になる。「30Kバイト程度」(J-フォン)という容量制限があるJavaにおいて,自前でグラフィック描画を行わなくて済むというメリットもある。 ただし,Webブラウザから3Dグラフィックを制御できるようにするかどうかは検討中だという。 将来的にはモバイルコマースもこの技術を使ったサービス内容は未定だが,バンダイネットワークスの林俊樹社長は「(バンダイネットワークスは)たくさんコンテンツをやる」と語る。
3Dのキャラクターデータは,市販の3Dソフトから変換可能。J-フォンとバンダイネットワークスはコンバータも配布する。「コンテンツプロバイダーにはフリーでツールを提供する予定。ライセンスフィーなどは発生しない」(バンダイネットワークス) しかし,個人ユーザーに対してオープンな規格にしていくのには慎重だ。「当初は公式サイトから,その後オープンにしていきたい」(J-フォン) J-フォン東日本の技術本部サービス開発室の太田洋担当部長は,「最初はマスコットから入っていくが,(3Dグラフィックは)今後無限の可能性を持っている」と言う。回転する3D映像の車の色を,次々と変えていくデモンストレーションも行われた。 なお,バンダイネットワークスでは「ビジネス的に,また技術的に条件が整えば,ほかのキャリアにも展開できる」と,J-フォン以外のキャリアに同技術が採用される可能性も示唆した。 関連記事 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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