噂の“GPSケータイ”使ってみました

GPSケータイでまず注意したいのは,カーナビゲーションのようには表示されないということ。精度はともかく,測位には10秒程度の時間がかかる。サービスによっては便利に利用できるが,過度な期待は禁物だ。

【国内記事】 2001年12月5日更新

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位置情報の利用方法は3種類

 GPSケータイで位置情報を測位する方法は,大きく3種類に分けられる。

  • 端末内のソフトで測位
  • Webページから測位
  • ezplus(Javaアプリケーション)から測位

 C3001Hの場合,端末内蔵のソフトウェアに「eznavigationメニュー」があり,以下のサービスを簡単に受けられる。

名称機能
現在地測位現在位置を測位して,アドレス帳に登録したり,Eメールに添付,Webサイトに送信して地図を表示できる
測位履歴これまで測位した位置情報を10個まで閲覧できる
簡易ナビゲーション現在位置を測位して,アドレス帳や測位履歴に記録した位置との距離・方位をグラフィカルに表示する

 測位の精度に関しては,KDDIが「平均で8.2メートル」という通り(10月4日の記事参照),満足のいくもの。屋内など,衛星がまったく見えず通常のGPS機器では測位できない場所でも,数10メートル程度の誤差で測位できるのはさすがだ。

 ただし“現在どのくらいの数の衛星が捕捉できているのか”が事前に分からないのは残念なところ。測位時には,どのくらい衛星からの電波を利用できたかがデータとして残るようだが(測位履歴の詳細表示で確認可能),コンテンツによってはそれさえ表示してくれない。


C3001Hに内蔵された「eznavigationメニュー」。簡単な操作で現在位置の測位を行える


「eznavigationメニュー」から,「現在位置測位」を行ったところ。まず始めに測位が行われ(左下),測位結果をどうするのかを尋ねられる(左上)。「ダイレクト接続」はあらかじめ設定した地図サイト(右上)に情報を送り地図を表示するもの。初期設定では日立地図サイトが設定されており,特にコンテンツ料金を払う必要なく地図を閲覧できる(右下)。地図を見るだけでなく,測位結果をアドレス帳に登録したり,Eメールに添付して送信することも可能


「eznavigationメニュー」から「簡易ナビゲーション」を行ったところ。現在の位置と,以前の測位履歴やアドレス帳に登録した測位結果を比較して,“現在位置とどのくらい離れていて,どちらの方向なのか”をチェックできる。赤坂で測位した履歴に対して,世田谷区某所から確認したところ,ほぼ真東の方向に10キロ離れているようだ(右下)


こちらはezpulusアプリケーション「EZ@NAVI」。アプリケーションを立ち上げてから測位を行う。測位の精度は「確認レベル」という形で表示される。屋内で測位したためか,レベルはCだった(左下)。しかし地図はかなりの精度で表示される(右下)


eznavigationを使った有料コンテンツの「とほナビ」。地図が表示され,歩きながら現在位置を確認できる。測位を指示しなくても一定時間ごとに自動的に測位する設定も可能だ(右)。「地図を見ながら歩くと大変危険です。必ず立ち止まってから見ましょう」と注意書きも。ezplusアプリケーションを使ったコンテンツだが,C3001Hでは動作速度は今ひとつ。作り込みを期待したい


現在無料で試せるeznavigation対応コンテンツ「NAVITIME」。Webベースで,地図と共に「今ここレベル」という名称で精度が表示される

割り切って使えば便利。過度な期待は禁物

 GPSケータイを使う上で,もう1つ理解しておく必要があるのは測位時間だ。GPS衛星からの電波の強さにもよるようだが,測位を開始してから約10秒ほどの時間がかかる。GPSの測位方法と携帯電話の処理速度からいえば,これは非常に短時間だが,すぐに現在位置が表示されると思っていると,期待は裏切られるだろう。

 実際には測位が終わった後,地図データをサーバからダウンロードする必要があり,そこでも数秒が必要になる。

 また,KDDIは具体的な金額を明らかにしていないが,測位には多少の通信費がかかる。GPSケータイはgpsOneという技術を使って,ネットワーク上のサーバと連携して測位を行っているからだ。逆に,サーバが位置測位を支援してくれるため,機器は小型に,測位速度は高速になり,GPS衛星が見えない屋内などでも測位が可能になるというメリットがある(4月4日の記事参照)。

 まだサービスが開始されたばかりで対応するコンテンツも少ないのが現状だが,いくつかのコンテンツを試してみたところでは,技術的な特徴を生かしたコンテンツがまだ少ないという印象を受けた。

 カーナビならぬ“人ナビ”は,確かに実現されているが,とにかく速度面が厳しい。今どこにいるのかをチェックするために十数秒待つのにいらだちを覚える人もいるだろう。

 「とほナビ」のように,現在地を60秒ごと/120秒ごと/180秒ごとに自動的に取得し直すことでナビゲーション機能を実現しているアプリケーションもあるが,地図の解像度が低いこともあって,まだ普通のユーザーが想像するような使い勝手は実現できていない。

 逆に,コココセムEZのように外部から携帯を持っているユーザーの位置を検索できる機能は,今後,大きな可能性を秘めているだろう。測位データをメールで送信できる機能も,PC向けのWebサービスやPC向けアプリケーションと連動できればさまざまなサービスが期待できそうだ。

 GPSケータイの技術的なアドバンテージは明らか。あとはその特徴を生かすアプリケーションをどう作るか。今後のコンテンツ開発が期待される。

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関連リンク
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[九条誠二,ITmedia]

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