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Pocket PC 2002 software 日本語版のすべて!(5/6)

【国内記事】 2001年12月29日更新

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エンタープライズ向けの機能強化

 ネットワーク機能を中心に,エンタープライズユーザー向けの機能が大幅に強化されている。

 外部ネットワーク経由による社内ネットワークアクセスを想定して,セキュリティ機能の強化,VPNのサポート,アンチウイルス用APIの搭載など,ネットワークには必須の機能がほぼ備えられている。

 また,柔軟なネットワーク構築を考慮して,無線LAN (IEEE 802.11b) ,Bluetoothなどにも対応できるように考慮されている。

  • Windows2000レベルの「パスワード機能」の強化

 パスワードの認証方式に,従来の4桁の数値を指定するものに加えて,英数字と記号が使用可能になっている。

 指定可能なパスワードは,半角英数字(大文字と小文字)と記号を組み合わせた7文字以上となっている。


複雑なパスワードを指定できるようになったPocket PC 2002。設定するには,英数字と記号を組み合わせた7文字以上でなければならない

 マイクロソフトによると,Windows2000などで使用されているエンジンと同等とのことだ。これなら,ネットワークに接続してもデータ漏洩などの心配はないだろう。

 また,Pocket PC 2002では,指定した時間内に電源を再投入した場合に限り,パスワード入力をスキップする機能が追加されている。

 電源を再投入する度に複雑なパスワードを再入力するのは非常に面倒なので重宝する。万が一盗難や紛失にあっても,時間を短めに設定しておけば悪用される可能性は低い。

 パスワードの再入力するまでの時間は,0分 (電源を投入するたびに入力) から最大24時間までと,10段階から指定できるようになっている。ちなみに,デフォルトは1時間に設定されている。


頻繁に電源のON/OFFを繰り返すPocket PCでは,その度に複雑なパスワードは入力するのは非常に面倒だ。指定した時間内の電源再投入なら,パスワード入力がスキップできるように設定しておくことが可能だ

  • ネットワーク上の共有フォルダにアクセス可能な「ファイルエクスプローラ」

 Pocket PC 2002のファイルエクスプローラからネットワーク上にある共有フォルダが参照できるようになった。

 メニューのアイコンをタップして,ネットワークパスを指定するだけで共有フォルダにアクセスできる。従来のPocket PCでは対応してなかっただけに,ネットワーク環境で使用しているユーザーには待望の機能の1つといえそうだ。


ファイルエクスプローラからネットワークパスを指定することで,LAN上の共有フォルダにアクセスできる

 さらに,通信経路を暗号化してカプセル化するVPN (Virtual Private Network) をサポートしているため,社外から社内へのアクセスも可能だ。例えば,出張先からインターネットを経由してオフィスのファイルサーバ上のファイルを閲覧するようなことが可能だ。

  • 接続マネージャーの搭載

 面倒なネットワークの初期設定を容易にする「接続マネージャー」が装備されている。

 [スタートメニュー]→[設定]→[接続]タブ→[接続]アイコンをタップすると表示される。設定は,PCと同様でウィザード形式で進むので簡単だ。


接続マネージャーを利用すれば,インターネットや社内ネットワークの接続がウィザード形式で設定できる

 例えば,モデム経由でインターネット接続する場合,一番上の設定が「インターネット設定」になっていることを確認して[変更]をタップする。あとは,ウィザードに従って接続名,使用モデム,電話番号を最低限設定すれば完了する。

 また,社外用と社内用など,必要に応じて複数の接続先を作成しておけるので,用途別に接続方法を切り替えることもできる。

  • 赤外線通信「OBEX」のサポート

 Pocket PC 2002では,赤外線通信の標準的なプロトコルスタック「OBEX」に対応している。


赤外線ポートさえ装備していればPocket PC以外に携帯電話などのモバイル機器へ容易にデータ送信できる

 OBEX対応の携帯電話に直接アドレス帳を転送したり,ほかのOBEX対応PDAとスケジュールやメモなどのデータ交換が行える。

 これまでのPocket PCは,赤外線通信に対応していても,PC (Windows) やPocket PC以外のデバイスとは容易にデータ交換できなかっただけに,モバイラーには喜ばしい限りだ。

 ちなみに,将来的にはこの機能を使ったPalmデバイスとの連携も視野に入っているとのことだ。

  • 会社順表示に対応した連絡先

 相当な記憶力がなければ,会社名と担当者名をすべて覚えるのは難しい。  Pocket PC 2002の連絡先では,リストを会社ごとにグループ表示する機能が追加されている。

 メニューから[表示]→[会社順]をタップすると,会社別に分けられてリスト表示される。さらに,会社名部分をタップする度に,リストが展開/折りたたみ表示される。


地味ながらも使い勝手は抜群の連絡先の会社順表示対応。会社名から相手を探していけるので直感的だ

 一見すると地味な機能に見えるが,企業ユーザーが取引先に連絡する場合,「○○さん」に連絡したいと思うより「△△会社の○○さん」に連絡したいと思うことが多いはずなので,実用性は十分に高い。

  • アンチウイルス用のAPIを搭載

 PDAの世界でもPalm OSに感染するウイルスが登場するなど,Pocket PCも例外ではなくなってきている。このため,特に個人情報が記録されているPocket PCでは,ウイルス対策を考慮する必要がある。

 Pocket PC 2002には,ウイルス対策用のAPIが搭載されている。ただし,APIの標準装備のみで,ウイルス対策ソフトそのものは搭載されていない。今後,MicrosoftもしくはサードパーティからPocket PC 2002用ウイルス対策ソフトが提供されるはずだ。

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[佐野直樹,ITmedia]

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