携帯のIMに熱い視線──ツーカーメッセンジャーの魅力と課題(2/2)

【国内記事】 2002年2月15日更新

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高いか,安いか? 1回2円の通信料

 よくできたツーカーメッセンジャーだが,普及するに当たっての課題もある。

 1つは料金だ。「通信方法としてはパケットを使う」(佐藤氏)が,課金は通信1回につき2円が基本。状態が変化したときの通知も送るのに2円,受けるのに2円かかる。

 「(ツーカーメッセンジャーは)月額使用料を取らない。(通信料も)JavaベースのチャットソフトやWebベースのチャットソフトに比べても安い」(佐藤氏)

 ツーカー提供の資料によると,確かにWebベースのものに比べて専用機であるTT21のほうが低料金に設定されている。

項目TT21EZweb版
状態更新料2円/回回線交換機種:3円〜,P@bit機種:2.1円/回〜
チャット通信料2円/回回線交換機種:3円〜,P@bit機種:2.1円/回〜

P@bit機種は約1Kバイトの情報量の送受信を想定

 しかし,例えば前出のau「おしゃべりモード」は,送信こそ3円/回かかるが,受信は無料だ。

 ただし,この料金設定には,今後のインターネットなどとの接続を見据えて……という部分もあるだろう。受信料無料では,将来的にインターネットと接続したとき,ネットワーク利用コストをユーザーに課金できなくなる。

ツーカー端末以外との接続が課題

 もう1つは,対応端末の数だ。コミュニケーションの機能が根付くかどうかは,プラットフォームの規模による。専用端末同士でしか利用できないのでは,FOMAのテレビ電話と同じで,法人向けの特定アプリケーションとしてしか使われない可能性もある。

 「EZweb版をau端末で利用したり,PCとのメッセージのやりとりを行うのは技術的には問題ない」と佐藤氏は説明する。問題は技術とは別のところにあるようだ。

 ただし,対応機種を増やしたいと最も強く思っているのはツーカーだ。「PCもボンヤリとは次のステップにはいれてある」(佐藤氏)

 しかし,具体的な次のステップが見えてこないのも事実だ。今回は東芝端末に機能を搭載したが,特殊なハードウェアを使っているわけでもなく,他社の端末にも搭載可能だという。しかし,「今後標準機能として搭載していくという約束はできない」と佐藤氏は言う。この当たりが,画期的なIMを携帯に搭載したものの,今ひとつ普及に自信を持ちきれないツーカーの現状を現しているのかもしれない。

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[斎藤健二,ITmedia]

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