新連載:Mobile&Movie 第3回
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【国内記事】 | 2002年3月1日更新 |
作品名 | アタックナンバーハーフ (SATREE-LEX) |
監督 | ヨンユット・トンコントーン |
製作年・製作国 | 2000年タイ作品 |
タイの実話 (!) を元にした「アタックナンバーハーフ」は,オカマちゃんたちの青春バレーボール映画。国体優勝を目指して集まったのは,バレーボール命ロン毛のモン,笑顔の可愛い毒舌ジュン,陸軍在籍の別名“水牛”のノン,どこから見ても女の子のピア,ゲイであることを隠しているウィット,そして唯一ストレートのチャイ。このチームをまとめるビー監督は,なんと“おなべ”! ビー監督は彼らに“サトリーレック”−鋼鉄の淑女−というチーム名を付けました。
オカマちゃんに対する白い目をものともせず,サトリーレックは実力で快進撃を続けていきますが,なにしろ個性的なこの6人,トラブルが絶えません。
ノンが練習中に泣き崩れた原因は伸ばしていた爪が折れたせいだったり,ウィットを連れ戻そうと両親が現れたり,モンとチャイは同じ情熱 (バレーボールが大好き!) を持っているのに衝突してしまったり……。チームがバラバラになりかけた時,チャイがオカマちゃんたちを理解し,ビー監督がまたチームをひとつにして,勝ち進んでいきます。
決勝前日,ビー監督の携帯電話が鳴ります。電話を取ったのはジュン。
「ビーの父です」
「お父様? こんにちわ」
携帯電話を持ちながら思わずペコリとお辞儀をするジュン。こんな光景はタイでも同じなんですね。ビー監督の誕生日を祝い,ジュンは伝言を預かります。
「決勝進出おめでとう。自分自身に勝つことは,何に勝つより尊いことだ」
オカマというだけで差別される彼らを,「外見はともかく立派なスポーツマン」として指導するビー監督,そのお父さんらしい言葉です。
サトリーレックの最後の難関は,「オカマチームに出場する資格はない!」と激怒する大会委員長。そんな相手にビー監督は「思い通りにならないものは排除しようとする……そんな頭の固いどなたかよりは,うちの子たちの方がよっぽど人間らしい」と男らしく (?) 一刀両断。最後には“自分自身”にも勝つことができたのです。
この映画の中では,オカマちゃんたちの言動をコミカルに描いていますが,同時に偏見に苦しむ彼らの姿もユーモアを交えながら映し出しています。オカマというだけで嫌われる悲しみを,ピアは「オカマにハッピーエンドはない」と言っています。
涙と笑いの中にメッセージを含んだこの物語,パート2の撮影も進んでいるそう。実在する登場人物たちのその後の人生も気になるところです。
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[本田亜友子,ITmedia]
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