Mobile：数字キーだけでショッピング──携帯電話連動型情報サービス

数字キーだけでショッピング──携帯電話連動型情報サービス

ブラウザフォンで面倒なURL入力を，数字のキー入力や音声入力で行える情報サービスが開始される。

【国内記事】

2002年3月8日更新

　フューチャービーツは，3月7日，紙媒体やテレビ，ラジオなどのメディアと携帯電話を連動させた流通支援サービス「anycode」サービスの概要を発表した。

　anycodeは，雑誌やテレビ，ラジオなどで紹介される商品や店舗情報などに最大8桁の番号を割り当て，ユーザーが携帯電話から番号を入力するだけで商品の購入やレストランの予約ができるWebサービス。音声入力にも対応しており，「URLの入力に不慣れなユーザーでも大丈夫」（フューチャービーツの諏佐憲男代表取締役）だという。

　iモード，EZweb，j-スカイの各サービスに対応，ユーザーは会員登録を行うことで会員個人の専用ページを持つことができ，登録後はanycodeの番号を入力するだけで商品購入などのサービスを利用できる。

雑誌などに印刷された番号を携帯に入力することで，情報を入手したり製品の購入ができる

　anycodeを利用して情報を提供するメディアや，商品をオンライン販売するショップには，アクセスしたユーザーのプロファイルが提供される（住所，名前，電話番号などの情報は除く）。番号は，店舗別，商品別，雑誌の場合は号数別に番号が割り振られるため，「どこの店舗で，いつ，誰にどのような製品が売れたかを分析することが可能」（諏佐氏）。同社では，統計データの形で情報を提供するサービスもオプションで用意している。

提供されるユーザーのプロファイル。男女比やキャリアの比率，購入時間や店舗などの情報が得られる

　同社ではサービス開始当初，主に紙媒体へのアプローチを図る方針。「現在，具体的な名前や数は明かせないが，大手出版社の若者向け雑誌や化粧品メーカーなどと話が進んでいる」（諏佐氏）。「雑誌に掲載されているアイテムを，近くにショップがない場合でもanycodeを使って購入できるようにする」（同）といったサービスを提供する計画だ。

　携帯電話から番号を入力することで情報を入手したりチケットを予約できるサービスは「チケットぴあ」などが既に提供している。anycodeがこれらのサービスと異なるのは，「例えばチケットぴあが発行する番号は，ぴあが提供するサービスでしか使えない。anycodeは，さまざまなショップや情報提供者が利用できる“開かれたサービス”である点」（フューチャービーツ諏佐憲男代表取締役）。また，受付から配送，決済までをトータルパッケージとして提供する点も，従来のサービスと異なる点だという。

　代金の決済には，佐川急便との提携により，商品配達時にその場でクレジットカード決済が可能なe-collectを採用している。

　また，携帯電話のディスプレイ上にバーコードを表示させる技術を開発したアランと提携，バーコードを表示した携帯電話の画面をチケットがわりにするなど，発送を必要としないものの販売も行うという。

　ショップや情報提供者に対しては，決済や配送が発生する「anycode/EC」モデルと，予約やアンケート，資料請求などの情報提供を行う「anycode/基本」モデルが用意される。料金は，anycode/基本モデルが初期設定料金2万円とテキスト画面2ページ，画像付きページ1ページの作成料金として月額3000円。anycode/ecモデルが初期設定費用無料，アクション料金として1件あたりの売り上げ額の5％～20％となる。

　anycodeサービスの第1弾となるのは，3月2日より公開中のウォルト・ディズニー・ジャパン配給作品「モンスターズ・インク」のオリジナルキャラクターグッズ販売。3月25日発売の「ぴあ」，3月26日発売の「東京ウォーカー」，4月2日発売の北海道・東海・関西・九州の各ウォーカー，4月2日発売の「東京1週間」「関西1週間」にanycode入りの記事が掲載される。同社によれば，5月頃には一般ユーザーが雑誌でanycodeを目にする機会が増えてくると話している。

　同社の初年度の売り上げ目標は2億円。ビジネスモデルのデファクトスタンダード化を目指すとし，今後ブラウザフォンの普及が見込まれる欧州でのサービス展開も予定している。2006年には「120万人のアクティブ会員，売り上げ16兆円を目指す」（諏佐氏）

[後藤祥子，ITmedia]

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