Javaアプリ事始め 第2回:
待ち受けアプリを作ろう(2/2)

【国内記事】 2002年3月15日更新

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待ち受けアプリを動かしてみよう

 機能のおさらいが済んだところで,待ち受けアプリとして実装した簡単なJavaアプリを動かしてみましょう。

 こちらから,jadファイルなどをダウンロードしてください(ZIP圧縮されています)。

 このJavaアプリは必要最小限の待ち受けアプリの機能を持ったものです。まずEmulatorを起動して,Javaアプリを読み込みます。Resident.jadとResident.jarがJavaアプリのファイルです。起動すると"-----"が2行表示されるだけですが心配はいりません。既に待ち受けアプリとして動作しています。


待ち受けアプリの起動後画面

 Emulatorには待ち受けアプリがフックできるイベントを起こせる機能が実装されています。さっそく使ってみましょう。Emulatorで,[Option]-[Telephony Event Dialog]を選択します。


Telephony Event Dialog

 Telephony Event Dialogには,以下の項目があります。

ID
アドレス帳内のエントリーのID
Name
アドレス帳内のニックネーム
Tel.No.
電話番号
E-Mail
メールアドレス
イベントの種類の選択
Calling(音声着信),SkyMail(スカイメール着信)など
Off Hook/On Hook
着信開始と着信終了を発生させる
Schedule
スケジュール内容
Alarm!
アラームを発生させる

 Telephony Event Dialogには,最初からアドレス帳に相当するデータが3件含まれています。音声着信した場合,かかってきた相手の電話番号を取得することができますが,もしアドレス帳にその相手の電話番号情報が入れてあった場合には,アドレス帳に登録してあるその相手のニックネームも取得できます。Telephony Event DialogのNameがそれに相当します。

 メール着信した場合も同様にメールアドレスと,アドレス帳に登録してあるニックネームが取得できます。ちなみに今回のサンプルにはそれらの情報を取得する部分は実装してありません。

 それではTelephony Event Dialog上の「Off Hook」ボタンを押してください。すると,TelephoneRingerポップアップメッセージが表示されます。これはEmulatorの機能で,音声着信時に表示される端末の画面に相当します。


 同時にアプリの画面には「音声着信 着信スタート」と表示されます。これが音声着信イベントの実装例です。


 音声着信イベントが起きたら,該当文字列を表示するようにプログラムされています。次にTelePhoneRingerポップアップ上の「Ring END」ボタンを押します。「音声着信 着信ストップ」と表示されます。続いて「Off Hook」ボタンを押してください。すると「音声着信終了 着信ストップ」と表示されます。これが電話呼び出し停止イベントの実装例です。

 次に「Calling」と表示されている部分をクリックしてください。ほかのイベントの種類がプルダウンリストに表示されます。


 ここでは「SkyMail」を選択してください。続いて「OffHook」ボタンを押してください。するとSMSRingerポップアップメッセージが表示されます。これもEmulatorの機能で,メール着信時に表示される端末の画面に相当します。


 同時にアプリの画面には「メール着信 着信スタート」と表示され,「BEEP END」ボタンを押すと「メール着信 着信ストップ」と表示されます。


 ほかにもいろいろな種類の着信イベントを発生させることができます。これらはすべて実際のJ-スカイの仕組みに対応しています。ここでは特に触れませんが,詳しくは「J-PHONE Javaアプリ プログラミングガイド」を参照してください。なおEmulatorでは終話キーによるActiveからPausedへ移行する部分は対応していません。

 参考までにソースコードとjadファイルを示します。

Resident.java

Resident.jad

 今回は待ち受けアプリの概要と簡単なサンプルを解説しました。待ち受けアプリの機能をベースにすると,何やら面白そうなアプリが作れそうですね。次回は今回の待ち受けアプリを拡張してもっと面白い待ち受けアプリの実装例をご紹介します。お楽しみに。

執筆者紹介 コネクト 伊藤広明
株式会社コネクトは,携帯電話向け技術,特に携帯電話向けJavaに特化した開発会社です。ゲームなどエンタテイメント性の高いコンテンツ系ソフトウェアから,ビジネスエレクトロニックコマースに主眼をおいたアプリケーションに至るまで,幅広い分野の携帯電話向けJavaアプリケーション開発・サーバ開発にはじまり,クラスライブラリの開発,各種ツール類の研究開発,携帯電話向けJavaの開発ノウハウを活かしたコンサルティングも行っています。

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