Mobile：Javaアプリ事始め第3回：待ち受けアプリを作ろう　その2

Javaアプリ事始め第3回：
待ち受けアプリを作ろう　その2

【国内記事】

2002年3月22日更新

　このJavaアプリは前回の必要最小限の待ち受けアプリの機能に加え，それぞれのイベントに応じた機能を実装したものです。では早速動かしてみましょう。まずEmulatorを起動して，Javaアプリを読み込みます。ResidentS.jadとResidentS.jarがJavaアプリのファイルです。起動すると“ヒマだな－”という文字列が画面中央に表示されます。この状態が定常状態で，既に待ち受けアプリとして動作しています。何も起きなければずっとこの画面です。

待ち受けアプリResidentSの起動後画面

　それではEmulatorでイベントを起こして何が起きるか見てみましょう。Emulatorで[Option]-[Telephony Event Dialog]を選択します。

Telephony Event Dialog

　まずTelephony Event Dialog上の「Off Hook」の左のイベント種類選択ボックスが「Calling」になっていることを確認して「Off Hook」ボタンを押してください。

　すると，TelephoneRingerポップアップメッセージが表示されます。同時にアプリの画面には「ｘｘｘｘ(例では今村嘉男)からお電話です！」という文字で埋め尽くされたはずです。画面一番下には「音声着信(呼出)」と表示されます。音声着信イベントに応じてアドレス帳に登録してあるニックネームを表示しているのです。

　実際にはアドレス帳に自由にアクセスできるわけではなく，アドレス帳の登録項目内の電話番号とかかってきた電話番号が一致したときにはそのニックネームが取得できるだけです。アドレス帳に登録がなければ取得できません。

音声着信時

　Telephone RingerのRingEndボタンを押すと，画面下の表示は「音声着信(呼出終)」になります。最後に「On Hook」ボタンを押すと，「音声着信終了(呼出終)」になります。

　音声着信に関するイベントを使うと，このようなことは思ったより簡単にできてしまいます。

　次にイベント種類を「SkyMail」に変更します。続いて「Off Hook」ボタンを押してください。するとSMSRingerポップアップメッセージが表示されます。同時にアプリの画面には「ｘｘｘｘからメールだよー」という文字で埋め尽くされたはずです。画面下には「メール受信(呼出)」と表示され，「BEEP END」ボタンを押すと「メール受信(呼出終)」と表示されます。メール受信は数秒待つと自動的に終了して，元の画面に戻ります。

メール着信時

　このときも音声着信時と同様に，条件が合えばニックネームの取得が可能です。

　最後に「Schedule」入力部分に何か文字を入力して「Alarm!」ボタンを押します。すると画面中央にScheduleに入力した文字列が，画面下には「アラーム発生(呼出)」と表示されます。Scheduleに入力した文字列は，実際の端末ではカレンダーに入力したスケジュールのタイトルに相当します。

アラーム時

　参考までにソースコードとjadファイルを示します。内容は特に説明しませんので，あとは実際にいろいろ試してみてください。端末で動作させるときには，通常着信音やメール着信音を声などにあらかじめ設定しておくと，Javaアプリがしゃべっているかのような動作にすることができます。ちなみにJavaアプリからではそれぞれのイベントに応じたサウンドを設定することはできませんので本体機能で設定してください。

ResidentS.java

ResidentS.jad

　今回は待ち受けアプリの，より具体的な面白いサンプルを紹介しました。待ち受けアプリでイベントを処理して，そのときに得られた情報をうまく活用することによって，さらに楽しいアプリを作成してみてください。情報の頻度によって変化していくJavaアプリなんて面白そうですね。次回もお楽しみに。

執筆者紹介コネクト伊藤広明
株式会社コネクトは，携帯電話向け技術，特に携帯電話向けJavaに特化した開発会社です。ゲームなどエンタテイメント性の高いコンテンツ系ソフトウェアから，ビジネスエレクトロニックコマースに主眼をおいたアプリケーションに至るまで，幅広い分野の携帯電話向けJavaアプリケーション開発・サーバ開発にはじまり，クラスライブラリの開発，各種ツール類の研究開発，携帯電話向けJavaの開発ノウハウを活かしたコンサルティングも行っています。

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[コネクト　伊藤広明，ITmedia]

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