噂の電子コンパス付きGPSケータイで洋食屋にたどり着けるか?──C3003Pを試す

松下製のau端末「C3003P」は,電子コンパスが内蔵されている。ケータイの向きに合わせて地図が回転するため,道に迷うことがないというのがウリだ。本当に道に迷わないのか,方向音痴の編集者が試してみた。

【国内記事】 2002年4月12日更新

 「方角をキャッチして地図を回転させる機能で,常にあなたの向きに合わせてナビゲーション。曲がり角で地図がわからなくなることもありません」──松下製のau端末「C3003P」のカタログに書いてあった説明は私の心をわしづかみにした。これこそまさに方向音痴の私が目的地にたどり着けない理由なのだ。

 知らない場所での待ち合わせ,行ったことのない場所での発表会は憂鬱になる。前の日には必ず場所を調べて地図をプリントアウトするが,それでもたどり着けず,タクシーを使うこともしばしばだ。

 「きっとこのケータイは私を救ってくれる」

 C3003Pは,果たして方向音痴の人々にとっての福音になるのだろうか。


方向音痴の人々を救うために生まれたC3003P

電子コンパス内蔵の便利な点は

 松下電器産業製の「C3003P」(2月25日の記事参照)は,電子コンパスを内蔵,GPS衛星からの位置情報にリアルタイムな方角をプラスさせ,利用者が方向を誤ることなく目的地にたどり着く手助けをしてくれるらしい。


目的地までのナビゲーションのほか,現在位置を知り合いにメールしたり,現時位置の近くにあるショップやレストランの検索が可能

 紙の地図を見て目的地に向かう場合,方向音痴の人は,曲がり角にくるたびに地図を回したりして方向を誤らないようにする。C3003Pを実際に使ってみると,紙の地図の場合に手動で回しているところを,電子コンパスが勝手にやってくれるという感覚だ。

 C3003Pの画面に表示させた出発点から目的地までのルートを見ながら歩いていく。曲がり角や斜めに入る道にさしかかると,コンパスが反応して地図が回転,行く先の方向を示してくれるという仕組みだ。常に進行方向が画面の上に表示されるため,それに従って歩けば目的地にたどり着ける。地図の回転もスムーズで,特にストレスを感じることもない。

 キャッチコピーに「さらにカーナビに近づいたGPSケータイ」と書いてあったので,移動に伴って地図上の自分の位置も移動するのかと思ったが,そういうわけではなく,地図は自分でスクロールさせる仕様になっている。

 実際にこのケータイで知らない場所にたどり着けるのだろうか? 手始めの実験として,場所を探すのが面倒だった洋食屋に行ってみることにした。

実際に使ってみると

 ルートを表示させるには,egnavigationの「グルメ・タウンガイド」から「NAVITIME」にアクセスし,「トータルナビ」を選択,まず現在位置をGPSで測位,出発地を設定する。測位にかかる時間はだいたい20秒弱ぐらい。現在地の地図が表示されるまでの時間は10秒弱と,それほどストレスを感じさせない速度だ。


現在位置を測位した画面

 目的地の設定は,電話番号や住所,郵便番号,ランドマークなどから検索可能。今回は洋食屋の住所が分かっていたので住所から検索して目的地に設定した。


マップ上にルートが表示される

 実際に携帯を見ながら歩き始めると,携帯をちょっと違う方向に向けてしまうとコンパスが反応して地図が小幅に回転してしまうことはあるが,おおむね方向を間違わずに目的地に向かえる。C3003Pは,夜道を歩いているときにバックライトが消えると画面がほとんど見えなくなってしまうのだが,地図がコンパスに反応してリロードするたびにバックライトがオンになるので,ケータイを軽く振ればすぐ見えるようになる。

 結果からいえば,目的地に無事たどり着くことができたが,地図をスクロールさせたときに一瞬方向が分からなくなって慌てる一幕も。また,多少の土地勘があったためにたどり着けたような気もしなくはない。

 「それなら全く未知の場所で試してみればいいですよ,例えば富士の樹海とか」。来週,私の署名記事が上がらなかったら富士の樹海で電池が切れるまでのサバイバルをしている可能性もある。


目的地までが遠い場合,電車の乗り換えルートや所要時間も表示してくれる

方向音痴の要望

 今までの経験上,方向音痴で最も困る局面は外出先で急に取材に向かえという指令が出たとき。いきなり住所をケータイにメールされても,場所も方向も分からないと,慌てることもしばしばだ。C3003Pで,こんな問題も解決するかと思われたが,1つだけ残念な点があった。ケータイに送られた住所を目的地の検索の際にコピーできないようなのだ。

 向かう先が大手企業や有名なランドマークなら検索することも可能だが,検索にひっかからない場所の場合は手動で住所を入力しなければならない。

 iモードでは,リモートメールと地図情報サイトiMapFanの連携でこの機能を実現している(8月1日の記事参照)。これさえ実現すれば,最強のGPSケータイになれるだろう。

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[後藤祥子,ITmedia]

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