超低消費電力・高速通信──「UWB」とは何か?(2/3)

【国内記事】 2002年4月18日更新

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 出力の向上やノイズの低減も,高速通信を実現する要素の1つ。だが,Manny氏は情報理論のシャノンの定理を挙げ,「周波数帯域幅を広く取ることが,理論的には大きなデータレートを実現する。ほかの要素よりも,帯域幅のほうが大きな影響を持つ」と語る。

 Ultrawideband=超広帯域,の名の通り,UWBはこれまでの常識を越えた広帯域の周波数を通信に利用する。定義によれば,「1.5GHz幅以上,または搬送波周波数の4分の1以上を使うもの」(Manny氏)となっており,特にどの周波数帯を使う,と決まっているわけではない。

 とはいえ電波は,通常,用途によって利用できる周波数帯が決まっており,おいそれと1.5GHz幅もの電波を利用できるものではない。ある程度の広い周波数幅が使えるのは,高い周波数帯ばかり。その結果,“次世代”と呼ばれる無線LANや携帯電話などはみな高い周波数帯の利用を想定している。

 しかしUWBが利用しようとしているのは,2GHz帯から10GHz帯といった,まさに現在無線LANや携帯電話が利用している帯域だ。ここが,「UWBは既存の無線技術への影響が懸念される」といわれる理由である。

 “懸念される”程度で済んでいるのは,FCCがUWBの認可に当たって「意図的に低い出力に抑える」(Manny氏)ようルールを定めたからだ。

 「UWBで実際に使われるのは,デスクトップPCなどがノイズとして出しているのと同程度の出力」(Manny氏)。Intelのテストでは,UWBがBluetoothや802.11b,802.11aに及ぼす影響はほとんどなく,「試験結果を見て共存できると思った」(Manny氏)という。


FCCは,UWBが利用できる出力を周波数帯ごとに変えている。左の「屋内での許可状況」では,GPS衛星が利用している周波数帯を大きく避け,実質1.99GHz以上の利用を許可した。ちなみに,点線は日本国内での規制状況。さすがにここまでの低出力では,UWBでも威力を発揮することは難しいようだ。 右は「屋外での許可状況」。「衛星への影響を懸念し」(Manny氏),さらに利用できる出力は下がっている。しかし,屋内外共に2.4GHz帯を使う802.11bやBluetooth,5GHz帯を使う無線LANとの干渉が懸念される

 ほかの無線技術からはノイズ程度にしか見えない出力でも,数GHz幅を利用することで,データレートは数百Mbpsに達する。これが,UWBの低消費電力・高速通信の秘密である。

現在のところ,パルスを利用

 現在のところ,UWBでは超短時間のパルスを使って通信を行っている。Manny氏はUWBのシグナルを掲げ「0.1ピコ秒の形でシグナルが出ている」と語る。

 パルスを利用することで,「トランスミッタ(送信部)のコストが下げられる」とManny氏は説明する。Intelは具体的な想定コストは明らかにしていないが,かなりの低コストを目指しているのは間違いない。

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[斎藤健二,ITmedia]

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