今年の携帯向け液晶のトレンドは?──電子ディスプレイ展(1/2)

電子ディスプレイ展の展示を見ることで、今年後半から来年にかけて、携帯電話にどのようなディスプレイが搭載されるのかを予想できる。サイズは? 色数は? そして注目点は? 半年後の携帯ディスプレイを探っていこう。

 東京・ビッグサイトで開催された電子ディスプレイ展「EDEX2002」では、2002年後半から2003年にかけて、携帯電話向けに搭載されてくると思われるディスプレイが多数展示された。

 これまで、モノクロからカラーに、そして大画面化が進んできた携帯向けディスプレイだが、今後のトレンドはどうなっていくのだろうか。

 見どころは、5つほど。サイズ、解像度、色数、発色、そして輝度だ。それぞれを順に見ていこう。

サイズは2.2インチで打ち止め

 まずディスプレイサイズだが、拡大路線はいったん2.2インチで打ち止めのようだ。携帯向けディスプレイを展示していた各社共に、「2.2インチが上限」と口をそろえる。2.2インチというのは、携帯電話としての形を保つには最大のサイズだからだ。

 現在の携帯電話のディスプレイサイズを見ると、主流は2インチ。低価格機やストレート型ではまだ1.8インチのものも見られるが、折りたたみ型では2インチが最も多い。2.1インチを搭載したKDDIの「A3011SA」や、2.2インチを搭載したNTTドコモの「FOMA N2002」などもあるが、まだ少数だ。

 今年中にはハイエンド機が軒並み2.2インチに移行することが予測される。その後は高解像度化に主軸が移っていくようだ(4月16日の記事参照)。

色数は6万5536色? 26万色の真相は……

 携帯ディスプレイのスペックとしてもう1つ気になるのが発色数。256色から始まり、今では低価格機でも4096色表示が標準的になってきた。

 ハイエンド機、特にTFT液晶搭載端末では6万5536色が多い。1600万色や26万色をうたっている機種もあるが、こちらはソフトウェア処理によって“1600万色相当”を実現しているだけであり、ハードウェア的には6万5536色だ。

 今後、さらに色数は増えていくのだろうか? 「26万色は載せていかないと……」と語るのは日立製作所。セイコーエプソンでも、現在ソフトウェア処理により26万色相当を実現している「Cristal Fine液晶」を、“リアル26万色”にもっていく。有機EL陣営でも、26万色からのスタートだ。

 しかし26万色と6万5536色で大きく見え方が変わるかというと、そんなことはないようだ。どのメーカーの液晶技術者も「見て違いが分かるようなものではない」と口をそろえる。

 それでも26万色にこだわる理由は、カタログスペックにある。「商品購入の際に、実際の端末に触ることができない携帯電話では、カタログスペックで少しでも他社を上回っていることが重要だと(端末メーカーに)言われる」(日立)

 ただし、26万色を実際に表示できる液晶には欠点もある。6万5536色表示の液晶に比べて、必要なメモリ容量は4倍増加。液晶コントローラの負荷も高くなる。そのため、液晶自体は26万色に対応していても、実際の表示は6万5536色に抑える端末メーカーもあるようだ。

 低温ポリシリコンTFTでは、液晶の周辺回路をパネルに組み込めることが特徴の1つとなっているが、「色数などを自由に調整できるように、パネルに組み込むのはドライバに留めている」(日立)というメーカーもある。

発色の良さは、今年のポイントの1つ

 2.2インチ26万色、解像度は176×220──これが今年後半の携帯液晶のモデルケース。しかし各液晶メーカーは、新たなポイントで差別化を図ってくる。

 それは発色の良さだ。

[斎藤健二, ITmedia]

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