「携帯とPDAは一本のズボン」──融合を語るIntel(1/2)

XScaleベースのモバイル端末向けのCPU「PXA」に続き,Intelは携帯電話向けフラッシュメモリの新製品を発表した。Intelは,携帯市場の今後をどう考え,どのような製品を用意しようとしているのか。

【国内記事】 2002年4月22日更新

 携帯電話の主要部品を巡る争いが激化しようとしている。特に,第3世代携帯電話では,通信そのものの演算処理性能が求められると共に,動画などのデータ処理需要が増大すると見られている。

 Intelは,PDAと共に携帯電話のアプリケーションプロセッサを狙ったXScaleベースのプロセッサPXAを発表したのに続き(2月12日の記事参照),4月18日には0.13μメートルプロセスで製造した携帯向けフラッシュメモリを発表(4月18日の記事参照)した。携帯への注力をさらに進める同社の,今後のモバイル戦略はどうなっているのだろうか。

 米Intelワイヤレス・コミュニケーション&コンピューティング・グループのRonald J.Smith上級副社長に話を聞いた(聞き手・構成:斎藤健二)。


Intel Developer Forum 2002 Spring JAPANで基調講演を行った,ワイヤレス・コミュニケーション&コンピューティング・グループのRonald J.Smith上級副社長

ZDNet:Intelが提唱する携帯デバイスをコンポーネント化するアーキテクチャ──PCAを構成する製品が揃ってきました。市場規模で見た場合,携帯電話とPDAのどちらが今後,伸びていくとお考えでしょうか。

 一本のズボンのように捉えています。片方が携帯電話,片方がPDAですが,上のほうでは一緒になっています。基本的には2つは融合する方向にあると思います。

 いろいろなデータを扱うようになれば,ますます融合のスピードが上がっていきます。しかし,従来と同じように残っていく部分もあるでしょう。

ZDNet:IntelのCPUはPDAには強いですが,XScaleベースの携帯向けチップについては携帯電話での採用の話をあまり聞きません。

 それは今後のニュースに注目してください。XScaleベースの製品は,PDA関係のアプリケーションに有効なだけでなく,スマートフォンタイプの製品でも展開が考えられます。

 完全にワイヤレス対応ということになると,もう少し時間がかかりますが,基本的にはXScaleはワイヤレス対応を念頭において開発しています。

 例えば,FOMAの第1世代の「N2002」は,IntelのStrongARMのアーキテクチャをベースに作られています。アプリケーションのプロセッサとして考えると,(NTTドコモの動画配信サービスである)iモーションなどに関してはStrongARMを使わないとうまく動かないということが実証されています。(StrongARMの後継チップであるXScaleなどで)そうした技術をさらに展開させていくことが考えられます。

ZDNet:N2002のメーカーであるNECは,第3世代携帯電話のアプリケーションプロセッサにTIのOMAPプロセッサの採用を発表しました(3月18日の記事参照)。

 彼らは生産を発表したわけではなく,あくまで計画を発表したに過ぎません。私たちは自分たちの製品に自信を持っています。実際に製品として展開できるようになれば,メーカーの方々もメリットを認め,使っていただけると思います。

 計画は得てして変わりやすいものです。製品やデバイスとしてきちんと提供できる段階になってから発表するほうがいいのではないでしょうか。Intelは計画だけで発表するというやり方は取りません。

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[斎藤健二,ITmedia]

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