ドコモのPDA向け電子書籍試験サービスで、上村愛子の自伝を読んでみた5月15日からドコモのPDA向け電子書籍配信サービスの試験運用が始まった。Pocket PC向けビューワの提供も開始され、14社31冊の電子書籍が公開されている
5月15日、ドコモの電子書籍配信サービスの試験運用が始まった。Pocket PCが電子ブックビューワと化している筆者としては、ドコモとシャープの共同開発による電子ブックビューワのできばえや、電子ブックのラインナップが気になるところだ。さっそくiPAQ Pocket PCで試してみた。
試験サービスサイトへは、事務局から送付されたIDとパスワードを設定し、mopera経由でアクセスする。ビューワはPocket PC用、Windows CE用、Zaurus用が用意され、Palmデバイス用は6月初旬に提供予定となっていた。
電子書籍試験サービスサイトのトップページ(左)。当初用意されるのはPocket PC用、Windows CE用、Zaurus用のブンコビューア(右) スタート時にラインアップされた書籍は14社31冊。鈴木光司の「リング」、夏目漱石の「坊ちゃん」、綿谷りさの「インストール」などの文芸書、「ジャパンタイムス社説集」「ニューズウィーク日本版 コラム・オン・ジャパン」などのビジネス書、「歴史クイズ 101人からの挑戦」「アメリカ人の英語」などの教育・教養書籍など。冊数は少ないながらも、幅広いジャンルの書籍が用意されている。
新刊書籍案内画面。官能小説もラインアップされている
書籍はダウンロード前に概要とファイル容量を確認できる。書籍の一部が読める「立ち読み」モードも 既報の通り、試験サービスで提供されるビューワはシャープとドコモが共同開発した「ブンコビューア」。シャープスペースタウンの「ザウルス文庫」にラインアップされているXMDFファイル対応書店の作品はPocket PCなどで読むことができるため、ドコモのサイトに公開されている作品以外も読むことが可能だ。 ダウンロードはPDAに直接ダウンロードする方法と、PCにダウンロードしてActiveSync経由でデバイスにインストールする方法の2通りから選べる。
サイトには2種類のダウンロードに対応したボタンが用意される(左)。保存先はメインメモリの「My Document」フォルダがデフォルトになっているが、外部メモリなどにダウンロード先を指定することもできる(右) 今回選んだのは実業之日本社刊、上村愛子の「だから、いつも笑顔で」。ソルトレイク冬季五輪で女子モーグル6位に入賞した彼女の自伝エッセイだ。ファイル容量は420Kバイト。PDAに直接ダウンロードすると1分5秒ほどでダウンロードできた。
書籍のダウンロード時に「ダウンロード後にファイルを開く」にチェックが入っていると、ダウンロードされた書籍が自動的に起動し、すぐに本を読み始められる。また、スタートメニューにブンコビューアが自動的に登録されるので、Pocket PCの操作に不慣れでもビューワのアクセスにそれほど迷うことはない。 画面の設定は、文字の大きさ、文字間や行間の幅、ボタンの操作割り当て、背景や文字色の変更などに対応している。縦書き、横書きの変更、画面の回転表示、全画面表示への変更も行える。 ユニークなのは「自動再生機能」。テキストが1行ごとまたは1ページごとに自動的に表示させる機能で、ボタンやスタイラスを使わずにページ送りができる。速度の設定は10段階から選択可能だ。
ブンコビューアの設定画面。ボタンの機能割り当てや、表示色はかなり細かい設定が可能
縦書き、横書き、画面回転させたビューワの表示画面。全画面表示にも対応している
背景色、文字色、リンク色は「レッド」「グリーン」「ブルー」「ピンク」など14色から選択可能。好みによってここまでビューワの色を変更できる。背景が情熱的だと上村選手の金メダルに対する意欲もアツく感じられるのは気のせいか。一部の記号は画像張り込みとなっているのか、周囲が白く表示される シャープ・ドコモ陣営のビューワの特徴として、テロップ機能やクリッカブルマップ、パラパラ動画、サウンド再生機能などマルチメディア機能が挙げられていたが(3月19日の記事参照)、ラインアップされている書籍のどれにマルチメディア機能が搭載されているのかはサイトからは判別できず、勘に頼るしかない。試験サービスで1カ月にダウンロード可能な書籍は3冊。既に、前から読みたかった上村愛子の本と、T-Time(11月27日の記事参照)との比較用にダウンロードした綿谷りさの「インストール」をダウンロードしてしまい(実はPDABOOK.JPのラインアップとかぶっている書籍もある)、残りはあと1冊……。うまく当たれば続編で詳細をお伝えする予定だ。 電子書籍の画面キャプチャは実業之日本社の許諾を得て掲載している。(C) Aiko UEMURA 2001 Printed in Japan 関連記事 電子ブックの2大勢力が新ソフトウェアを展示──東京国際ブックフェア2002 「今年は電子ブック元年に」――ドコモとの連携でデファクトを目指すシャープ NTTドコモ、PDA向け電子書籍配信サービスを今秋より開始 関連リンク NTTドコモ シャープスペースタウン [後藤祥子, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
最新スペック搭載ゲームパソコン
FEED BACK |