504i向け3Dポリゴンの特徴と今後(1/3)J-フォンに続き、504iにも3Dポリゴン機能が搭載された。携帯向け3Dエンジンのデファクトスタンダードになりつつある「マスコットカプセルエンジン」は、どんな特徴を持っているのか。また、アプリケーションプロセッサの搭載は3Dに何をもたらすのか。開発元のエイチアイに聞いた
NTTドコモの新シリーズ「504i」には、5機種すべてにエイチアイ製の3Dポリゴンエンジン「マスコットカプセルエンジン/Micro3D Edition for DoCoMo」が搭載されている。 このエンジンは、J-フォンのJava端末にも採用されているもの。業界トップのドコモ端末への搭載も決まったことで、ますます盛り上がることが予想される3Dポリゴンエンジンについて、エイチアイの川端一生社長に話を聞いた。
ZDNet:エイチアイの3Dポリゴンエンジンの特徴は? 特にこだわっているのが、小型軽量という点です。プログラムサイズも小さく、低リソースの環境でもレンダリングが行えます。そこが他社と大きく異なる点です。もう1つはすべてがソフトウェアであるということ。グラフィックスアクセラレータなどは使わないため、非常に移植性が高くなっています。 携帯の工場などにいってポーティングしてみると、1日で移植がすべて済んでしまうのです。本来、(携帯に限らず)いろんなところで動かしたいので移植性には配慮しています。 ZDNet:当初、J-フォンに採用されたとき、ほかの携帯キャリアからは「まだ早いんじゃないの」という声もありました。 3Dのレンダリングが電話機でそのまま動くということが、イメージできなかったようです。しかしJ-フォンではすんなり動いてしまいました。3Dを動かすために携帯電話の基板などの設計を変えなくちゃいけないのは大変ですよね。でもうちの3Dソフトは小さく、ポータビリティも高い。少しメモリを割り当ててもらえば、工場のラインを何も触ることなく、(3Dが)動いてしまう。そこが評価されたのだと思います。 ZDNet:ドコモはエイチアイの3Dのどんな点を評価したのでしょう? 採用には、J-フォンでの商品化の実績が重要だったのではないでしょうか。またキャリアもキャラクターなどアクセサリー系のコンテンツの根強さは分かっていると思いますので、3Dでユーザーに喜んでもらえるなら……というところはあったのではないでしょうか。 ちなみに、今回のエンジンの採用はメーカー拡張オプションです。ただしDoJaのAPIの拡張に関しては、ドコモが仕様を拡張した形になっています。
ZDNet:販売は、J-フォンの時と同じくバンダイネットワークス経由ですね。 ユーザーは、3Dを見たいわけじゃなくて、コンテンツを見たいわけです。メーカーにしてもキャリアにしても、3Dエンジンを載せてコンテンツは展開されるのかという心配もあるでしょう。 コンテンツ展開を保証するバンダイという存在がなければ、簡単には(3Dポリゴンを)載せてもらえなかったと思います。 結果として(504iメーカー)5社が(エイチアイの)エンジンを載せてくれたわけですが、他社の3Dエンジンも候補としてあったかもしれません。しかし、(別のエンジンを載せて)ある機械だけバンダイのコンテンツを動かせないのは良くないと思われたのではないでしょうか。 ZDNet:コンテンツプロバイダからの評価はどうだったのですか。 3Dのデザイナーが日常使っているツールの主要なものに対応していますから(2月18日の記事参照)、データを作るのはそんなに大変ではないと思います。今後は、ゲームに対応しやすくするためにゲーム用のAPIを用意していきます。その定義に当たっては、ゲーム会社と相談しています。 次ページ:「六角大王」への対応も
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