MetaFrameとAirH”のコンビで企業向けモバイルに新たな選択肢シトリックス・システムズ・ジャパンとDDIポケットは,都内で記者発表会を行い,シトリックスのMetaFrameとDDIポケットのAirH”を組み合わせ,企業向けのモバイルプラットフォームを提供することで協業すると発表した。シトリックス・システムズ・ジャパンとDDIポケットは5月21日,都内で記者発表会を行い,シトリックスのMetaFrameとDDIポケットのAirH”を組み合わせ,企業向けのモバイルプラットフォームを提供することで協業すると発表した。コンピューティング処理をすべてサーバ側で行って結果だけをクライアントに返すMetaFrameサーバと,PDAやノートPCから最大128kbpsのワイヤレス通信接続を可能にするAirH”のコンビにより,時間や場所の制約を越えたVirtual Workplaceをビジネスユーザーに提供したいとしている。 シトリックスの営業本部で副本部長を務める小林肇氏は,同プラットフォームを利用する企業ユーザーとして,大企業の営業マンや運送業者などを挙げる。また,倉庫の在庫管理担当者が利用すれば,「倉庫の場所の遠近に関わらず,在庫状況をリアルタイムに基幹データベースに反映できる」と話している。 これまで,MetaFrameの特徴を表す言葉としては,LANやWANをベースにしたServer-based Computingが知られている。そして,この日紹介されたAirH”との組み合わせでは,無線の通信回線の意を強調して,「Wireless Server-based Computing」(WSBC)として,シトリックスはアピールしている。 Server-based ComputingとしてのメリットはWSBCでも同じ。あらゆる処理をサーバで行い,クライアントはその結果を受けるだけであるため,クライアント側に必要なのは,「Citrix ICA」のみ。必要なアプリケーションはサーバに一元的にインストールするだけで済む。企業は,膨大なPCやPDAのOSのアップグレードなどの保守作業をする必要がないため,保守管理に掛かるコストを抑えることができる。 一方,AirH”を利用する最大の理由は,定額制であること。通信費用が予測可能であることにより,企業は自社システムとして戦略的にWSBCを導入できるという。DDIポケットは,加入台数が40万を突破したAirH”を,今後は法人にも提供していくという。法人市場に売り込むためには「ソフトウェアの提供が必須になる」ため,同社はシトリックスとの協業に踏みきったとしている。 ただし,MetaFrameとAirH”の組み合わせはあくまでプラットフォームに過ぎない。ビジネスマンが実際に利用するためには,対応するアプリケーションやハードウェアを提供するパートナーやシステムインテグレータが必要になる。 両社の協業に賛同する企業として,ERPパッケージを提供するSAPやオービックビジネスコンサルタント,iPAQ Pocket PCを展開するコンパックコンピュータ,東芝ITソリューション,日本アイ・ビー・エム,NEC,日本電子計算,富士通などが紹介された。 もし,同プラットフォームを企業が利用する上で問題が出るとすれば,アプリケーションの実行パフォーマンスが考えられる。MetaFrameで処理した情報は,ビットマップを圧縮した形でクライアントに送信されるため,アプリケーションによっては帯域幅の影響を受けて,表示に時間がかかるケースなどが考えられるという。 例えば,SAPをPDAから利用するケースについて小林氏は,「PDAの場合は軽い画面を表示するような仕組みが必要かもしれない」と話した。 なお,DDIポケットはAirH”の加入者を今年度中に100万人に押し上げ,その内10〜20%は128kのユーザーにしたいという。また,シトリックスは,MetaFrameのユーザーの20%がワイヤレス環境を採用するとしている。 関連記事 DDIポケット,日本HP,ドリーム・アーツが「AirH"」対応のeCRMソリューションで協業 関連リンク [怒賀新也 ,ITmedia] モバイルショップ
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