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2002年5月27日 11:41 PM 更新
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アクセスチャージ【あくせすちゃーじ】
NTTドコモからJ-フォンに電話をかけられる陰には、複雑な接続と料金のやりとりが発生している。NTTの独占状態から、携帯電話をはじめさまざまな通信会社が登場するに当たって、ずっと議論の的となってきたのが通信会社間の接続料金である「アクセスチャージ」だ。
アクセスチャージ(Access Charge)とは、「接続に対する課金」と訳され、一般的には通信事業者間の接続料金を意味している。通信事業社間というのは、例えばNTTとKDDIや、NTTとNTTドコモの関係を示している。利用者が直接このアクセスチャージを支払うことはない。
国内では、家庭や会社で使われている電話回線のほとんどはNTTの設備である。屋内の電話線や電話機を利用者が買取ることが可能だといっても、家の引き込み口である保安器から電話局までのケーブルや交換機は、まず間違いなくNTTの資産である。
また、それぞれの電話機(回線)に付与されている電話番号は、国の番号計画に基づきNTTが桁数や数字を決めてきたことから、日本の電話システムそのものがNTTを中心に回っていることが分かる。もちろんユニバーサルサービスを提供する役務を持つNTTだからこそだ。
つまり、今後いかなる電話会社が出てこようとも、現在使われている電話番号に電話をかけるには、最終的にNTTに回線を接続をしてもらわなければならない。こうして異なる電話会社間での「接続」と、そのための費用である「アクセスチャージ」が発生する。マイラインなどでKDDIの電話回線を使う場合は、NTT−KDDI−NTTと接続されている。
携帯電話会社間でも事情はほぼ同じだ。J-フォンからドコモの携帯電話に電話する場合、J-フォンはドコモにアクセスチャージを支払って接続し、その分を通話料として自社のユーザーから回収する。
これがPHSの場合は、無線から有線に接続される際、NTTのISDNを経由するため、たとえドコモからドコモといった自社同士の接続であっても、公衆網を提供するNTTのアクセスチャージがかかるようになる。
こうした通信事業者は、基本的にはどの事業者に対してもアクセスチャージを同額としなければならないため、たとえばNTTへの接続において、同グループのNTTドコモがJ-フォンより優位に立っているということはない。どの事業者も料金表に基づいて、同じだけの料金を払っている。その一方で「料金の安さ」を売りにしている事業者もある。これは、自社の光ファイバー網などを活用し、NTTへの接続を極力少なくするといった工夫をしているためだ。
ちなみにアクセスチャージは、1回の接続当たりにかかる料金(セットアップチャージ)と、時間単位の料金(秒課金)の組み合わせとなっている。
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[江戸川, ITmedia]
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