Mobile:NEWS 2002年5月31日 07:45 PM 更新

迷惑メールの矛先は、iモード以外へ(2/2)


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 ドコモPHSやDDIポケットの端末を利用することで、ある程度大量のEメールを、迷惑メール対策をくぐり抜けて送信できるからだ。

 どちらもドメイン指定受信のバリアを潜り抜けるEメールを送信するには、専用ソフトを用いる必要があるものの、悪用された場合、ドメイン指定受信は効果を発揮しない。実際、iモードへの迷惑メール配信をあきらめきれない業者が目を付け始めている。

 既に、ドコモのPHSを利用して送信された迷惑メール(送信アドレスのドメインが〜@〜.em.nttpnet.ne.jp)が確認されている。

 これらがドコモのドメイン指定受信を潜り抜けられる理由は簡単だ。一部の製品を除けばブラウザフォンでのEメールは独自の手順でメールサーバと送受信する。PHS向けのサービスでは、端末とメールサーバ間の独自手順をそのままPC上で再現している。この方法ならメールサーバへは端末を利用して接続するので、セキュリティも保ちやすいし、メールサーバを機能拡張したりゲートウェイを設置せずに済む。反面、端末単体と専用ソフトを用いた場合のEメール送受信の区別をするのが難しくなってしまう。

 また、iモード端末でもデータ通信接続端子を介してPCなどからiモードメールを送信するためのインタフェースも存在し、PCとiモード端末をケーブル接続してPCからiモードメールを送信できるソフトも存在する。これを利用した場合も迷惑メール対策は潜り抜けてしまうだろう。

 これらのサービスは、本来は利用者の利便性を増すために作られたものだ。しかし、それが裏目に出てしまうこともあり得る。

 ただしこれらは、これまでの一般的なインターネット経由での送信や、au.netを利用した送信を簡単に置き換えられる手段ではない。また専用のセンターに接続するため、低コストでEメールの送信が行えるわけではない。ドコモの場合7秒/10円、DDIポケットの場合通常のEメール送受信料金(30秒/5〜10円)が必要になる。

 こういったコストを考慮すればそう長続きはしないと思うが、場合によってはメールアドレスを変更するといったベーシックな対策も必要になってくるかもしれない。


左がH"端末から、右がH"端末と「H"問屋」を利用して実際に送信し、PCで受信したEメールのヘッダ部分。最終的な出口のメールサーバこそ分散処理の関係で違うが、入り口のメールサーバは同じ。これでは受信側のメールサーバが識別することはできないだろう

 キャリアが対策を取れば、迷惑メール側も対策をくぐり抜ける方法で迷惑メールを送信を試みる。キャリア側のさらなる迷惑メール対策と、実行力のある法的な制限が確立しない限り迷惑メールの送信そのものが止むことはないかもしれない。

 結局のところは、「迷惑メールが届き始めたらメールアドレスを変更する」「名簿式で捏造しやすいメールアドレスを利用しない」といったユーザー側で行える対策は当面必要になりそうだ。この点で、容易にはメールアドレスを変更できないDDIポケットには何らかの対策が求められる。

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[坪山博貴, ITmedia]

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