Mobile:NEWS 2002年6月7日 11:58 AM 更新

CLIEとMacintoshでHotSyncを〜「Missing Sync 3.0」レビュー(2/2)


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期待のiTunes/iPhoto連係機能。音楽再生機能付きCLIEをiPodのように使える

 バージョンアップの注目は、Missing Sync 3.0から機能が追加された「iTunes」「iPhoto」との連係機能である。

 iTunesはアップルが無償提供しているMac OS X用のMP3ソフトだ。音楽CDからMP3データを生成・管理できるアプリケーション。「iPod」を始めとするポータブルMP3プレーヤーに入っているデータを管理することもできる。Missing Sync 3.0は、このポータブルMP3プレーヤーとして、音楽再生機能付きCLIEをiTunesに認識させることができるのだ。

 MS Importを起動してメモリースティックをマウントさせてからiTunesを起動すると、iTunesの「入力源」のエリアに「Sony CLIE」という項目が追加される。この項目をクリックすると現在CLIEのメモリースティックの中に入っているMP3データを一覧でき、またこの項目に対してMP3データをドラッグするとCLIEのメモリースティックの中にMP3データがコピーされる。

 MP3データの削除は一瞬だが、転送となるとそれなりの時間がかかる。5分/128MbpsのMP3データ(約4.7Mバイト)の転送には約25秒かかった。iPodに比べると倍以上遅い数字になるのだが、iPodはFireWire接続なのに対してCLIEはUSB接続になってしまうのが、この速度の違いなのだと推測される。


iTunesからCLIEのメモリースティックを直接操作できる。コピーできる容量なども見える


MP3データをコピーしている様子。転送速度こそ低いものの、使用感はiPodそのもの

 iPhotoもアップルが無償提供しているMac OS X用のアプリケーションで、こちらは大量の画像データをアルバムのように管理できる画像管理ソフトだ。iPhotoはMacintosh内の画像データを管理するほか、デジカメのデータを読み込んだり、逆に書き込んだりできるのだが、この機能をCLIEでも使うことができる。

 やはりMS Importを起動してメモリースティックをマウントさせてからiPhotoを起動すると、iPhotoの「読み込み」機能の対象として「Sony PEG Mass Storage」が選べるようになる。PEG-NR70Vのようにカメラ付きCLIEの場合、それで撮影したデータをそのままiPhotoで取り込めるというわけだ。また「共有」機能の書き出し先としてCLIEを選べるようになる。書き出しの際にはサイズやファイルタイプ(PictureGear PocketのPGP形式か、デジカメのDCF形式か)も指定できる。


CLIEのPictureGear PocketとiPhotoの連携が可能に。PEG-NR70Vやメモリースティックカメラを使っているならCLIEをデジカメのように扱える


もちろんCLIEへの転送も可能。画像形式も選べる

 ただし、iTunesもiPhotoもやり取りできるのはメモリースティック内のデータである。音楽データはメモリースティック内に入れなければならないので問題ないが、画像の場合、本体にあるPGP形式のデータとはやり取りできない。メモリースティックカメラモジュールで撮影したデータは、撮影後にPictureGear Pocketを使ってメモリースティックにコピーし、それからiPhotoとやり取りする形になる。

CLIEを「Macともっとも親和性の高いPalmデバイス」にするMissing Sync

 Palmデバイスを使っているユーザーの中には母艦(ホストマシン)にMacを使っている人が少なくない。ソニーがMacとの動作を保証していないため仕方がないのだが、MacとCLIEの利用は敷居が高いといわざるを得なかった。

 しかし、Missing Syncがあれば、ほかのPalmデバイスでできることはすべてフォローされることになる。それどころかメモリースティックへの直接のアクセスやiTunes/iPhotoとの連携が可能となることを考えると「Macと最も親和性の高いPalmデバイスはCLIEである」とさえいえるだろう。

 もちろん、Missing SyncでCLIEシリーズの魅力をすべて引き出せるようになるわけではない。Navin' You Pocketへの地図データの切り出しはMacではできないし、TVscapeのコンジットもMac用のものは存在しない。ただ、MacとほかのPalmデバイスではできないことが、Missing Syncで実現されるようになるということは、MacとCLIEを利用するユーザーにとっては大きな福音だ。

 ところで、今回は評価用のβ版を使ったということで評価外の要素として扱ったが、試用したMissing Sync 3.0は安定性という面ではかなり厳しいものがあったことを報告しておく。HotSyncは連続して実行するときちんと反応しなかったり、iTunes/iPhoto連携機能でも使用するメモリースティックマウント機能は特に不安定な動作が見られた。

 製品版では修正されていることを強く願いたいが、製品版でも同様の現象が見られた場合のことを想定し、「各種機能の開始/終了は順序よく」「同時に複数の機能を使わない」というアドバイスをしておく。HotSyncは時間をおいて丁寧に行う、メモリースティックをマウントするときはできるだけほかのアプリケーションを動かさない、iPhotoの「デジカメが接続されたら自動起動する」のオプションは外す(「Image Capture」の「ホットプラグ時の動作:」を「なし」にする)、メモリースティックがマウント状態のままCLIEをクレードルから外さない(必ずFinderからメモリースティックをマウント解除するかiTunes/iPhotoを終了させる)……といったことを守りたい。一般的な周辺機器は多少順序が異なっても大きな問題にはならないのだが、今回試用したMissing Syncは簡単にMacやCLIEをハングアップに陥れることもあったため、万が一のことを考えて最後に綴っておく。

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[濱田宏貴, ITmedia]

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