姿を見せたダウンロード型BREW(1/2)Javaの対抗馬として、Qualcommが着々と準備を進めるアプリケーション実行環境「BREW」。国内ではKDDIが採用を予定しているが、BREW本来の力を発揮するダウンロード対応端末はまだ登場していない。クアルコムはWIRELESS JAPANでダウンロード可能なBREWアプリケーションのデモンストレーションを行った
ネイティブプログラムに極めて近い性能を持つ、アプリケーション実行環境「BREW」。サーバからダウンロードしてアプリケーションを追加できることが特徴の1つだが、国内ではまだダウンロードできる端末は用意されていない(3月8日の記事参照)。 BREWの採用を予定しているKDDIも、「ダウンロードが可能なBREW対応端末は今年度中に投入」と言うにとどめている。 クアルコムジャパンは、BREWの認知を目的にWIRELESS JAPANブースで、ダウンロード型のBREW対応アプリをデモンストレーションした。市販の端末にBREWを搭載し、サーバから実際にBREWアプリをダウンロード、実行させてその性能を体感することができる。
クアルコムジャパンのモバイル・アプリケーション・スペシャリストである久保雄介氏によると、BREWのメリットは大きく分けて、3つある。 1つ目は「Javaとは比べものにならないスピード」だ。BREWはネットからアプリケーションをダウンロードできる点では、Javaとよく似ている。しかしJavaのように抽象化レイヤーとして仮想マシンを使うのではなく、ネイティブプログラムに近いAPIセットを持つため、アプリケーションを高速に動作させられるという。 2つ目の特徴は、「IP上にSocketプログラミングを行える」(久保氏)点だ。携帯向けJava規格であるMIDPは、通信プロトコルとしてHTTPしかサポートしていない。NTTドコモのDoJaではHTTPSも可能だが、制限があることに変わりはない。 BREWでは、SMTP/POP3などに加えUDPも利用可能。オリジナルのプロトコルも利用できる。「Javaで書かれたIM(インスタントメッセンジャー)は、通信がHTTPベースのため、分単位でサーバに確認をしにいかなくてはならない(7月8日の記事参照)。BREWならば情報をプッシュで受け取れる。ストリーミング映像を流すことさえ可能だ」(久保氏)。 同時に、このことは端末自体にIPアドレスが振られるということも意味している。BREW対応端末は、キャリアのゲートウェイを意識せずに、外のサーバと通信が行える。KDDIは携帯電話のIP化を押し進めており、「KDDIだからこそ、IPパケットが通るネットワークが構築できる」(久保氏)。 3点目は、複数のBREWアプリケーションの連携だ。「MIDPではほかのアプリケーションを呼ぶことができない」(久保氏)。携帯Javaは、セキュリティ確保の必要上、各アプリケーションが独立して動くためだ。BREWではこれと異なり、通信キャリアが認証を行う。そのため、アプリケーション同士の通信や呼び出しが可能になる(2001年8月の記事参照)。 BREWのアプリケーションには32ビットのIDが振られており、相互に別のアプリケーションを呼び出すことも可能。「呼び出したアプリケーションが端末内になければ、自動的にダウンロードするようにもできる」(久保氏)。
クアルコムブースでは、8社がダウンロード対応BREWアプリケーションをデモしている。
[斎藤健二, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 1/2 | 次のページ モバイルショップ
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