Mobile:NEWS 2002年7月30日 01:55 AM 更新

Bフレッツを活用〜街頭端末からPDAに動画ダウンロード

“街角ブロードバンドサービス”という新しい試みが、西日本から始まった。光ファイバー接続サービス「Bフレッツ」とPDAを活用した、コンテンツ販売システムだ

 街頭に設置されたキオスク端末から、PDAに動画をダウンロード。「街角ブロードバンドサービス」と名付けられた、新しい試みが大阪から始まっている。

 NTT西日本の子会社「NTTソルマーレ」は、6月19日からキオスク端末を活用した「Foobio」を開始。阪急・梅田駅内に6台の端末を設置し、動画、マンガ、ニュース、小説、音楽などをPDAにダウンロードするサービスを行っている。1コンテンツあたりの料金は100円−300円程度。

Bフレッツを活用

 Foobioは、NTT西が提供している光ファイバーの接続サービス「Bフレッツ」を活用したものだ。コンテンツはセンターに格納し、キオスク端末との間は100MbpsのBフレッツで接続されている。

 ユーザーは、CFカードやSDカード、メモリースティックなどの外部メディアをキオスク端末に差し込み、センターからコンテンツを高速ダウンロードする。これをPocket PCなどのPDAによって閲覧する仕組みだ。

 PDA市場は、現在年間150万−200万台とまだ小規模。しかし、携帯とPCの中間に位置するデバイスとして、そのマルチメディア機能に目をつけた。NTTソルマーレのマーケティング本部長、大橋大樹氏は「数分から数十分の動画コンテンツを見ようとした場合、携帯では不十分。PDAを中心としたエンターテインメントスタイルを作っていきたい」と話す。

 携帯電話でも、NTTドコモのM-stageを中心に動画や音楽のダウンロードサービスが提供されているが(7月29日の記事参照)、「携帯の場合、コンテンツ以外に通信料がかかる。(キオスク端末やPDAの)数が増えれば、(PDAでも)携帯に対抗できる」(大橋氏)と意気込む。

コンテンツは現金で購入

 コンテンツは幅広いジャンルから1400コンテンツを集めた(7月22日時点)。「セリエA スーパーゴールズ」などのスポーツやグラビア番組などの動画、「ドカベン」や「行け! 稲中卓球部」などのマンガ、文芸社の書籍を中心とした小説、J-POPを中心とした楽曲などがラインアップされている。

 それぞれの価格は100円−300円程度に抑えたが、1日の売り上げが端末1台当たり6000円−7000円に達すれば、収支が均衡すると見込んでいる。大橋氏は「駅構内の自動販売機は1日の売り上げが3万円程度」だとし、今後の収益確保に自信を見せる。

 コンテンツ料金の支払いを、現金に限ったのはFoobioの珍しい点だ。「少しでもバリアを低くしなくてはいけない」(大橋氏)。キオスク端末に直接現金を投入する形にしたため、店舗に設置してもらう場合でも店員に負荷をかけないで済む。ただし、コンテンツ課金体系に月額固定料金などを採用しづらいという弱点もある。

 現在のところ、対応するPDAはPocket PC搭載機。カシオ計算機、コンパックコンピュータ、東芝、NEC、日本ヒューレットパッカードの各PDAに対応した。「著作権保護の仕組み作りのため」(大橋氏)、まずはPocket PCからの対応となったが、今後はほかのPDAにも対応を進める。現在も、「文庫」のダウンロードに関してはシャープのザウルスでも可能。続けてPalm OS搭載機への対応も進める。

 キオスク端末の設置は急ピッチで進める。大橋氏は「9月以降、数を増やしていきたい。今年中に100台程度は設置する」と語る。大阪圏の次は、首都圏への展開も考える。設置場所には、書店やレコード店、コーヒーチェーンのほか、鉄道各社も想定している。

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▼ Foobio
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[斎藤健二, ITmedia]

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