Mobile:NEWS 2002年8月1日 08:31 PM 更新

デジタル地上波放送のコストは携帯利用者が負担?

デジタル地上波放送実現のための費用を、携帯電話事業者が多くを負担する「電波利用料」から捻出することについて、携帯キャリア4社が総務省に申し入れを行った

 NTTドコモ、KDDI、J-フォン、ツーカーセルラー東京の4社は、デジタル地上波放送開始に向けたアナログ周波数変更対策について、総務大臣に申し入れを行った。周波数変換にかかるコストを電波利用料から負担することについて、透明性の確保やほかの財源の検討などを求めている。

デジタル地上波放送のコストは、“電波利用料”から

 デジタル地上波放送の大きな課題になっているのが、周波数帯の確保だ。既存のアナログ放送のチャンネルを動かして、帯域を開けることまでは決まっているものの、問題はそのコスト。

 「アナアナ変更」と呼ばれるこの作業にかかるコストは、当初727億円程度とされていたが(2001年2月の記事参照)、全国地上デジタル放送推進協議会が見直しを行った結果、1800億円程度になることが分かった。費用は国費でまかなわれるが、その財源とされているのが、携帯電話事業者が80%程度を負担する“電波利用料”だ。

1台当たり、540円──電波使用料

 そもそも電波利用料は、「電波管理や無線局のデータベース管理にかかる費用」(総務省総合通信基盤局)を利用者側が負担するというもの。その料金は基本的に無線局の数に比例する体系になっている。

 あれだけ大掛かりなテレビ局の無線局が1局あたり年間2万3800円なのに対し、携帯電話でも年間540円(電波利用ホームページ参照)で、そのため、端末や基地局などの無線局の数が多い携帯電話事業者の負担が突出して大きくなる。言い換えれば、携帯利用者は毎年これだけの金額を支払っていることになる。

 テレビと直接関係ない携帯電話事業者が、間接的にデジタル地上波放送のコストを負担するのは、電波のひっ迫対策の一環という位置付けのため。「テレビのデジタル化によって、空いた周波数をほかの無線局に使う」(総務省総合通信基盤局)のが、その根拠となっている。

 しかし727億円だったはずが、1800億円と2倍以上に増えるとなると、話は変わってくる。「デジタル地上波放送のコストアップによって、電波利用料からの負担額が増えたのが問題」(ドコモ広報部)というわけだ。

地上波デジタル放送のコストが、携帯ユーザーに?

 携帯キャリアが怖れるのは、これにより電波利用料の値上げがあるのではないかということ。そして、電波利用料の本来の利用に問題が出てくるのではないかということだ。

 そもそも、アナアナ変換のコストは試算のたびに増加しており、実際に1800億円で作業ができるのかどうかも不明。携帯キャリアが不安を持つのも当然のことだ。コストに関して「検討の経緯の説明を受けていない」(ドコモ広報部)としており、今回の申し入れでは、試算の透明性の確保や、電波利用料以外の財源を検討するよう求めている。

 電波利用料が値上げされたり、本来の利用に問題が出た場合、その負担や不便は携帯電話利用者に跳ね返ってくる可能性が高いだけに、今回の申し入れに対し、総務省がどう答えるかが気になるところだ。

関連記事
▼ 見えてきたデジタル地上波放送への課題

関連リンク
▼ 総務省 電波利用ホームページ
▼ 地上波デジタル放送
▼ ドコモ プレスリリース
▼ KDDIプレスリリース
▼ J-フォンプレスリリース

[斎藤健二, ITmedia]

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