Mobile:NEWS 2002年9月2日 07:10 PM 更新

Pocket PC「musea」ファーストインプレッション(1/2)

9月6日、ドコモから2製品目となるPocket PC「musea」が登場する。ドコモの通信カードしか使えないものの、一部ショップでの予約価格は3万9800円と購入しやすい価格設定だ

 「musea」はNTTドコモが販売する2機種目のPocket PCだ。ビジネスユーザー向けのヘビーデューティなPocket PCとして売り出された「GFORT」とは打って変わって、アルミ素材を活かした繊細なボディで登場する。

 OSはPocket PC 2002を搭載しているが、CPUはStrongARMで拡張スロットはCFのみと、昨今の最新Pocket PCに比べると、シンプルなハードウェア構成。内蔵ソフトも通信して楽しむためのアプリが多いなど、他社製の最新Pocket PCとは異なるアプローチが図られている。

ドコモユーザー向けに特化されたPocket PC

 「musea」はドコモの携帯電話、PHSユーザー向けPDAという位置付けだ。そのためインターネット接続に利用できるのはドコモの携帯電話(PDC)とFOMAでの回線交換、パケット通信、PHSに限定されている。

 CFスロットで利用できる通信カードはドコモのP-inシリーズのみ。DDIポケットのRH2000はモデムとして認識されず、日本通信のUメール(8月22日の記事参照)は通信カードとしては認識できるものの、発信できない。Pocket PCとして魅力的な製品だけに残念なところだ。

 もっともドコモユーザーには便利な製品だ。MoperaをISPとして利用する場合、簡単にインターネットに接続できるMoperaクイックスタートや、P-inシリーズの電波状態を表示させるソフト、FOMA用のTCP/IP最適化ソフトなどが標準で搭載されている。インターネット接続にあたって、PCからドライバをインストールする必要はない。


ほかのPocket PCでは見慣れないアイコンが並ぶ。ドコモの携帯電話、PHSを利用するためのプログラムが追加されているのが分かる

 「DoPa警告設定」も便利だ。これはPDCで利用できるパケット通信「DoPa」利用時に、パケット単価と金額を設定しておくと、パケット通信料が設定した金額に達した段階で警告が表示される機能。こんなものが必要になるのは、パケット単価がWebブラウジングなどに適していないからだが、親切ではある。FOMAのパケット通信では機能しないのが不思議だが……。


これが「DoPa警告設定」。パケット単価と料金を設定しておくと、設定金額にパケット使用量が達すると警告を表示する

 また、ほかのPocket PCでは楽しめないのが「M-Stage visual」(用語参照)。「infogate」(7月29日の記事参照)の利用料金として最低月額100円が必要で、コンテンツも有料コンテンツのものが多いが、なかには無料コンテンツもある。閲覧はPHSでMoperaを利用したインターネット接続時に限られ、無料コンテンツなら日本全国1分15円で楽しめる。

 いくつかの無料コンテンツを試してみたが、物理的な表示サイズが大きい(ピクセルサイズが大きい)ためか、携帯電話での動画サービスと比較して映像もクリアな感じだ。なお「M-Stage visual」ではストリーミングコンテンツのみ閲覧可能でダウンロードコンテンツは利用できない。


「M-Stage visual」でドコモのテレビCMを再生。さすがに細かい文字は読めないが、雰囲気は十分伝わる

 多くのPocket PCがそうであるようにmuseaにも「musea menu」というタブ切り替え式のプログラムランチャーが搭載されている。ほかにもナビゲーションバーからワンタッチで「実行中のプログラム一覧」を呼び出せるアイコンがあり、深い階層までたどる必要なくバックグランドで動作しているプログラムをすべて終了させられる。

「きゃらとーく」で実現した擬似プッシュ配信機能

 museaでは、電源オフ時にCFスロットへ給電する機能と専用ソフトを使って、擬似プッシュ配信が可能。本体に装着したPHS一体型通信カードがショートメッセージサービス「きゃらとーく」を受信すると電源が入り、受信したメッセージに応じてアプリケーションを実行させられるのだ。この機能は「Wake-Up」と呼ばれる(8月7日の記事参照)。

 実行できるアプリケーションは「Auto Web Recorder」「リモートアクティブシンク」「受信トレイ(メールの受信)」の3つ。リモートでWebオフラインコンテンツ、PIM情報、メールを更新する擬似的なプッシュ配信を実現できる。


左のように設定を行うと本体に電源入っていなくてもP-inシリーズが待ち受け状態になり、きゃらとーくを受信できる。右は「メール」というメッセージを受信したらメールの自動受信を行うように設定したところ

 このうちメールの受信では、電波状態が悪くなって受信が中断した場合、再度電波状態が良好になった段階でメールを再受信するといった機能も付加されている。

 例えば企業利用なら外回りの社員に本製品を持たせ、会社から強制的に営業用のWebコンテンツやスケジュール、メールを配信することが可能になる。

 もっとも個人で使う場合、この「Wake-Up」にメリットがあるかどうかは微妙なところ。きゃらとーくの発信とmusea側のインターネット接続で、最低で20円の通信コストが発生するからだ。そこまでして個人でプッシュ配信を行う利用法は考えいにくい。

 なお「Wake-Up」を利用する場合、PHS一体型通信カードが常に待ち受け状態になるが、それでもPHS一体型通信カードのLED(状態表示インジケータ)がオンの場合で1日、オフの場合で8日間待ち受けが可能。1日1度の充電が前提であれば十分実用的で、PHSの消費電力の低さあっての機能といえる。

[坪山博貴, ITmedia]

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