PDAで通話もできる〜CF型データ通信カード「AH-N401C」インプレッション(2/2)
AH-N401Cの付加価値として面白いのはPocket PC 2002搭載のPDAと組み合わせて音声通話ができる点。専用ソフトをインストールし、PDA側のスピーカーとマイクを使って、デバイスを受話器のように持って通話する。PDAのバッテリー動作時間などを考慮すると着信用には向かないが、発信用に割り切って使う分には便利。AirH"の契約では音声通話が標準プランと同料金なので、対有線電話、対PHSへの発信なら携帯電話よりずっとリーズナブルだ。 今回試用したベータ版のソフトでは、GENIOe 550G/X、jornada560、iPAQ Pocket PC H3850のみが動作対象になっていた。あいにく該当機種が筆者の手元になかったため、iPAQ Pocket PC H3630とPocket LOOXで動作を確認した。 Pocket LOOXでは音声がとぎれとぎれ、もしくは完全にノイズになってしまうという状態。iPAQ Pocket PC H3630ではおおむね問題なく動作したが、着信音が鳴らない(正確には呼び出し完了後に鳴る)という問題があった。動作対象機種以外ではやはり何かしらの問題があるようだ。 iPAQ Pocket PC H3630と組み合わせて何人かと実際に通話してみたが、Pocket PCは音声端末と異なりノイズキャンセラーやエコーキャンセラーを備えていない。そのためか通話相手から、マイクが周囲の音を拾いすぎるという指摘を受けた。受話音は少々キンキンするものの、いかにもPHSらしいクリアなもので十分実用性はある。本当の意味で実用性を持たせるにはPocket PC側の対応も必要になりそうだ。 専用ソフトは指でも操作できる大きなボタンを備え、送受信履歴はもちろん、Pocket Outlookの住所録を電話帳として利用できる。またWAVファイルをそのまま着信音にできるのは面白い。
なおセイコーインスツルメンツ製のAirH"カード型端末「MC-P300」でもイヤフォンマイクを利用した音声通話は可能だ。こちらは音声コーデックをカード側が持っており、ダイヤラソフトさえあれば音声通話ができる。本製品の場合、音声コーデックはPocket PC側が処理するようになっているため専用ソフトが必須だ。
本製品は、これからAirH"を導入や32Kbpsパケットから128Kbpsパケットへの移行を考慮している人には魅力的な製品だ。コンパクト、低消費電力でありながらPCカード型のAH-G10に迫るパフォーマンスを実現している。 可動アンテナに対しては賛否両論があると思うが、AH-G10に迫るパフォーマンスは(9月25日の記事参照)この可動アンテナ抜きには語れないし、邪魔なら外してしまっても実用性を損なうほど通信速度が変化するわけではない。アンテナは電波状態が悪い場合に備えて財布にでも突っ込んでおくという手もある。 少々気になるのは付属ソフト。同社の製品は以前からあまり付属ソフトに注力する傾向がないのだが、この点は本製品でも変わらない。付属ユーティリティはWindows用のみで、電波状態を確認する機能もない。この点にはもう少し力を入れてほしいところだ。 関連記事 可動式アンテナの送受信能力は〜「AH-N401C」を試す 取り外し可能な可動式アンテナを備えたAirH"128K対応のCFカード型端末「AH-N401C」。アンテナを付けた状態や取り外した状態での送受信能力を、ほかのデータ端末と比較した NECインフロンティア、PDA音声通話機能搭載のCF型AirH"カードを発売 NECインフロンティアは、DDIポケットの128Kbpsパケット通信など5種の通信方式に対応し、PDAでの音声通話機能を搭載したType II CF型通信カード「AH-N401C」を開発した 関連リンク NECインフロンティア [坪山博貴, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 2/2 | 最初のページ モバイルショップ
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