マルチメディア機能が進化〜「GENIO e550GS」インプレッション
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| 製品名 | メモリ | イヤホン | 直販価格 |
| e550G | 64Mバイト | × | - |
| e550GS | 64Mバイト | ○ | 5万9800円 |
| e550GX | 128Mバイト | × | 6万9800円 |
ボディがよりメタリック調になったのが、外観上の変更点。CPUはインテル製XScale PXA250/400MHzと変わらず、内蔵バッテリーも1100mAhのままだ。

左がe550GS、右がe550G。ボディーカラーがよりメタリック調に
注目したい点は2つある。1つは従来の400MHz/200MHzに加えて100MHz動作をサポートした点だ。カタログではメモ画面の連続表示で400MHzが約10時間、200MHzが約13時間。100MHzでは約16時間の動作が可能。

左がE550GS、右がE550G。E550GX/GSではCPU動作クロックに100MHzが追加された。E550GSの”省電力”はE550Gの”オート”に相当し、400/200MHzを必要に応じて切り替えて動作する
もう1つは、Windows Media Playerが8.0から8.5へと最新バージョンに変更されている点だ。10月29日に提供が開始されたe550X/e550G用のアップデータでもWindows Media Playerが8.5にバージョンアップされており、動画再生のパフォーマンスが向上すると表記されている。

左がe550GS、右がe550GのWindows Media Player。e550GX/GSでは8.5になっており、ちなみにe550G/X用のROMアップデート3でも同じビルドが提供されている

左がWindows Media Player8.0、右が8.5のファイル選択画面。8.5ではフォルダ単位でのファイル選択が可能になった。使い勝手を左右する重要な変更点だ
e550GではPXA250が性能を発揮できないアプリケーションの例としてWindows Media Playerが挙げられていたが、e550GX/GSのカタログからはこれがなくなっている。推測にすぎないが、MediaPlayer 8.5はXScaleに対応することでパフォーマンスの向上を果たしている可能性もあるだろう。
明らかに向上している動画再生能力
新モデルのe550GSと旧モデルとなったe550Gで、100MHz動作時のWindows Media Playerのパフォーマンスとバッテリー動作時間の変化をチェックした。e550GはWindows Media Playerのアップグレードを含むROMアップデート3の適用前、適用後のいずれもチェック対象にしている。
動画再生能力は、WindowsMediaEncoderのPDA向けに用意された2種類のテンプレートで作成した動画ファイルを利用した。225Kbps(208×160ドット、20fps)と150Kbps(208×160ドット、8fps)の2つのビットレートとなる。
ROMアップグレード3適用前(以降旧ROM)のe550Gと比較した場合、e550GSの動画再生能力は明らかに向上している。旧ROMのe550Gでは200MHzでは225Kbpsの動画がほとんど紙芝居状態で、画面の更新が数秒おきになるなど、動画として視聴に耐えない状態だったが、e550GSでは200MHzでも数フレーム/秒での再生が可能になっている。また旧ROMのe550Gでは400MHzでも数秒に1度ほど引っかかることがあったが、e550GSではこういったこともなく、なめらかな再生が行えた。
この状況はROMアップグレード3適用後(以降新ROM)のe550Gでも同じだ。225Kbpsの動画ファイルは200MHzでも十分スムーズに再生されるようになっており、e550GSと変わらない。e550GSの動画再生能力の向上は、主にWindows Media Playerのアップグレードによるもののようだ。
e550GSの100MHz動作では、225Kbpsの動画ファイルこそ紙芝居状態になってしまうが、150Kbpsの動画ファイルは十分再生可能で、この点がメリットになりそうだ。
| SPACE | E550GS | E550G(新ROM) | E550G(旧ROM) | ||||
| 100MHz | 200MHz | 400MHz | 200MHz | 400MHz | 200MHz | 400MHz | |
| MP3(96〜192Kbps,固定) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| MP3(128Kbps,可変) | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| WMA(64〜128Kbos) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| WMV 225Kbps) | ×※1 | ○ | ○ | ○ | ○ | ×※2 | ○※3 |
| WMV 150Kbps | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
※1.1秒に1コマ程度の画面更新 ※2.数秒に1コマの画面更新 ※3.数秒に1度程度画面更新が寸断する
音楽再生能力はどうだろう。気になるのはe550GSの100MHz動作時だ。WindowsMedaiAudioでは64〜128Kbps、MP3では固定ビットレートであれば96〜192Kbpsまでの再生が滞りなく行えた。音がとぎれがちになったのは128Kbps基準のVBR(可変ビットレート)のみで、100MHz動作でもシリコンオーディオプレイヤーとして問題なく機能する。
100MHz動作で動画や音楽再生を行った場合のバッテリーの持ちも気になるところだ。WindowsMediaAudioとMP3ファイルが混在した状態での音楽再生、150KbpsのWindowsMediaVideoファイルの動画再生を、バッテリーの満充電状態から1時間連続で行い、バッテリー残量を確認してみた。
検証時の環境は、音楽再生ではフロントライトは消灯、動画再生は4/10の明るさに設定し点灯したままの状態。ボリュームはヘッドフォンで聞くのに十分な2/5の音量に設定している。ファイルは64MバイトのSDカード上に置いた。
結果は200MHz動作ではe550GS、旧ROMのe550G、新ROMのe550Gがほぼ同じで、100MHz動作のe550GSが最もバッテリー残量が多いという結果になった。もっともクロック比まで考慮すればわずかな差でしかないが、少しでも長くバッテリーで利用したいユーザーなら100MHz動作をサポートしたe550GX/GSのメリットは大きい。
さらに魅力を増した新GENIO
マルチメディア性能の向上に加え、両製品とも実質的な値下げともいえる価格付けになった新GENIO e。WindowsMediaPlayerのバージョンアップ、100MHz動作のサポートは、シリコンオーディオ/ビデオプレイヤーとしても利用するユーザーにとって魅力的だ。
WindowsMediaPlayerのアップグレードは他社製品でも行われると思うが、現時点でこれを利用できるのはGENIO e550GX/GSと同社の旧モデルe550G/E550Xのみ。旧モデルに対するバージョンアップ対応の速さも好感が持てる。
[坪山博貴, ITmedia]
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