Mobile:NEWS 2002年12月10日 00:21 AM 更新

巣鴨の“お嬢さん”も携帯は必需品〜日経BPコンサルティング調査

携帯電話市場の飽和が語られる中で注目されているのがシニア市場。日経BPコンサルティングはシニア層の携帯電話動向を探るべく、巣鴨の“お嬢さん”たちに調査を試みた

 携帯電話の契約数は、11月の時点で7280万8700を数え、伸び率は安定期に入っている。その中でも「開拓の余地がある」と言われているのがシニア市場だ。

 60代以上の層を取り込むためには、どのようなアプローチが有効なのか──その現状とニーズを探るべく、日経BPコンサルティングが「巣鴨おばあちゃんのケータイライフ」を調査、その結果をセミナーで報告した。


調査を担当したのは日経BPコンサルティング、調査第三部の板倉雅人氏


調査は「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる巣鴨地蔵通り商店街および周辺で、11月22日、23日に実施。対象は55歳以上の携帯電話・PHSを持っている女性で、声をかけた約800人のうち43人が調査に応じたという

きっかけは家族との連絡用がトップ

 調査によれば、巣鴨おばあちゃんが、携帯電話を持つようになったきっかけは、「家族との連絡用に」がトップで、「家族や自分の健康状態が悪くなった/不安なので」が2位に続く。

 NTTドコモの「F671i」(2月1日の記事参照)を使う60代後半の女性も、きっかけは「夫の具合が悪くなったときに娘に持たされた」というもの。夫が他界した後は外に出るときには「持っていかないと、息子から連絡があったときに怒られるので」いつも持ち歩いているそうだ。

 このおばあちゃんが披露したエピソードはなかなか面白い。旅行先でタクシーに乗ったときにうぐいすの鳴き声が聞こえたので、運転手に「うぐいすが本当に鳴くなんて、このあたりには自然が残っているのですね」と話しかけたところ、鳴き声の正体はなんと友達の「着信音」だったというオチだ。

 着メロは、自分の携帯が鳴っていることが分かることから、多少関心があるようだと板倉氏は話す。

 ちなみに巣鴨おばあちゃんたちが着メロに設定していたのは、チャイコフスキーの「花のワルツ」、「サザエさん」主題歌、松任谷由実の「ルージュの伝言」、喜納昌吉の「花」など。童謡や小学校の校歌があったら──という要望も寄せられたそうだ。

携帯電話エバンジェリストのシニアも

 auの「A3013T」(3月11日の記事参照)を使いこなす67歳の女性は、シニア世代の携帯電話エバンジェリスト。取り扱い説明書を読んで2週間でメールをマスターし、自らが使いこなすのはもちろん、友人たちに使い方を伝授しているという。今では懇親会の連絡はすべてメールで行うようになり、友人たちもCメールで安価にやりとりするためにauユーザーになったとのことだ。

 シニアユーザーの場合、携帯電話を使おうと思っても、取扱説明書が難しかったり、何度も使い方を子供に聞いてうるさがられたりと壁に突き当たることが多いようだと板倉氏。携帯エバンジェリストとなりうるシニアの存在や、ショップの「携帯電話教室」などの試みはシニアへの携帯電話普及の鍵になりそうだ。

 また、板倉氏は携帯電話の取り扱い説明書が難しいと話したおばあちゃんでも、全員がビデオの録画はできるといったことを指摘。ビデオのリモコンの説明書がリモコン全体の絵に吹き出しを付けて機能を紹介しているのに対し、携帯電話の説明は、おおむねボタンや数字だけで説明しているのが分かり辛さにつながっていると分析し、改善の余地があることを示唆した。

役に立つストラップなら

 NTTドコモの「R211i」を利用する62歳の女性は、女子高生のようにケータイライフを楽しんでいるという。「ケータイを持っているかどうかでグループが分かれちゃう」という発言はまさに女子高生そのもの。メールも「ランチしよ」「元気?」など、ちょっとしたコミュニケーション手段に使っているそうだ。待ち受け画面からストラップまで、アジアンテイストにこだわり、端末の色も気に入った色を選んでいる。


巣鴨おばあちゃんたちの携帯電話。ストラップで飾ったものからシンプルなものまでさまざま

 もっともこうしたこだわりを持つおばあちゃんはそれほど多数派でもないと板倉氏。ストラップは「チャラチャラするのはイヤ」「携帯電話はあくまで電話機で、ファッション小物じゃないから(ストラップも)変なものじゃなければなんでもいい」といった声も聞かれたという。

 待ち受け画面も多くの人が、買ったときのそのままになっているといい、「孫の写真を貼れますよ」と提案しても、ほとんどの人が「人に見せるものじゃないし」と素っ気ない反応だったそうだ。

 一方で、実用的なものには関心が高く、カレンダーを待ち受けにできる機能は好評。ストラップも、「ルーペや防犯ブザー兼用のものなら」「かばんから(ストラップ部分を出しておける)固いものがあれば、探しやすくて便利」といったアイデアが寄せられたそうだ。

シニア市場にアピールするには

 調査結果を見ると、いったん使い始めてしまえば、シニア層でもその便利さを実感していることが分かる。最初のハードルとなるのは、やはり「使い方の難しさ」だ。

 そうした意味では、教えてくれる人が身近にいることや、携帯電話教室の開催、文字が大きく使いやすい携帯電話の開発などが、その障壁を崩してくれそうだ。

 あとはコスト面の問題。おばあちゃんたちは料金情報の収集には積極的だといい、「相手が固定なら固定で、携帯なら携帯へかける」「携帯は高いから外からかけるときは(携帯電話を持っていても)公衆電話を探す」という声も聞かれたという。

 また、「普段の生活でメールを利用」と答えた人は43人中21人と高く、Webコンテンツも、まだ使ってないという41人中6人は「利用してみたい」としている。「天気予報」「ナビ」「懸賞」「クーポン」「旅行」など実用的でお得な情報は、シニア層にアプローチできる可能性を秘めているようだ。



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▼ 日経BPコンサルティング

[後藤祥子, ITmedia]

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